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月明かりの丘で
草笛を吹いた
朝靄の泉で
謳を謳う
通り過ぎる
日々の瞳
流れついた
最後の言葉
ふわりゆれる
ふわりゆれる
ふわりゆれる
湖面のさくらよ、さくら
ひらひらと舞う
その一片(ひとひら)に
いくつの思いを乗せ
何処へ旅立つ
思い出に誘われた
白夢のフクロウ
クビをかしげ
一片を見送る
苔の上で一休み
セキレイと共に
歩む矛先は知れず
水銀の水と共にどこまでも
木漏れ日を浴びながら
一日、一日、過ぎた
ふらりゆれる
ぶらりゆれる
ゆらりゆれる
くるくると笑いながら、流れ
果ての知れぬ霞もなく
この思いをどこまでも
どこまでも
旅は続く
ちらちらと舞う
薄紅色の
サクラ舞う道に
迷い込む
いつしか開けた空に
惑いながらも
半歩でも一歩でも
進み行く
大きな岩岩が
ひしめき合い
時折くぐる
トンネルからは
奇怪な声が地鳴る
サラリゆれる
スラリゆれる
サラリゆれる
仲間に囲まれて
誘われて
おもわずほころぶ
出会いの園
でも未だとどかず
流れのままで
月夜の中
交わる嬉々清々
君よ、君よ
見渡す一片
止まらぬ流れ
いざ、霞の中へ
こころ、思い
暗闇と染まり行く
たどり着きし
知らぬ浜
行ったりきたり
悩み、悩む・・・
あの時から
流れ着いた
この一片は
朝靄の中
謳い始めた
最後の言葉
届けるために
【―君を、愛しています―】
伝えるために・・・