私のなくしたもの:~【光】~
瓦礫の山
誰もが逃げ惑う
崩れ落ちた町
ほこりは
太陽を隠し
真実を覆う
私の体を通り抜ける痛みは
心まで届き
君の事だけが
残された最後の希望
かすむ意識の中
ゆっくりと
君のところを目指している
君までいなくなったら
どうしよう
どうしよう・・・
どうしたらいい?
もう、生きられないよ
どうしよう・・・痛いよ
いろんなものが痛くて
膨らんで・・・
もう、眠りたい
だから
君だけは生きていてほしい
風が痛い
光が痛い
埃が傷に悪戯する
灰色の町
君の住んでいる家は
希望と共に崩れていった
聞こえない叫びを
私は大空へ
海の果てへ
力の限り投げつけた
もう、わからない
わからないよ
ちからが入らない
何処からか
君の声が聞こえるよ?
まぼろしかな?
おかしいよね?
ぱちぱちと
かすかに炎をたたえる灰色の町
ほこりを掻き分けて入ってきた
光の柱の中に
君がいた
瓦礫達が
まるで君を避けるかのように取り囲み
君が真ん中で眠っている
駆け寄った
あふれ出る喜びと
湧き出る不安
入り混じりながら君を
抱きしめた
強く、強く、強く
温かい、生きている!
ああ、生きていた
生きていた
君が、生きてる
頭をなでてくれた
抱きしめてくれた
止まらないよ
もう、止められないよ
私は泣いた
今までに無いくらい
大声で泣いた
そして
私が泣き終わるまで
彼は背中を、優しくたたいていた
私がなくしたもの
それは綺麗な日常
まぶしいくらいの平和
でも、本当の光は失っていない
がんばれる
まだ
がんばれる
私の光は
まだ私の腕の中で生きているのだから