怨霊と家系で読み解く源平合戦 | エンパス森ふくろうの独り言

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この間のアマゾン便で届いた高田崇史さんの「源平の怨霊」

この小余綾俊輔のシリーズを読むのはこれが初めてです。こちらではQEDシリーズのように殺人事件は起こらず、

純粋に歴史の謎解きをするお話となっていて、歴史好きな私には大いに楽しい読書になりました。



お話は源平合戦と鎌倉幕府に関するもので、去年一生懸命見ていた「鎌倉殿の13人」の立役者たちが沢山出て来ますから、

ついでに演じていた俳優さんたちの顔も浮かんできて面白くなってしまいました😆

このお話には「吾妻鏡」のことも出て来ますから、「吾妻鏡」をほぼ忠実にドラマ化した「鎌倉殿の13人」の記憶が薄れないうちに読めて良かったです。


怨霊とは志半ばにしてその思いを断たれた人間が怨霊となるもの。

でもちゃんとお祀りされたら、その人が果たせなかった思いを果たしてくれる神様になることと説明されます。

自分の恋愛が成就しなかった人が怨霊から神になれば「縁結び」の神様になるという風です。

この小説は情報量が多いので簡単に書くと源平合戦ではなく、「平平合戦」であったと小余綾俊輔が解き明かします。

その鍵は平清盛に源氏の遺児達の命乞いをした池禅尼にあり、

なぜ彼女がそうしたかは彼女の出自を知れば源平の時代から鎌倉幕府滅亡まで筋が通るようになっています。

こういう歴史解釈もあるんだ!と面白くて夢中になって2日ほどで読んでしまいましたが、

即もう1回中の人みたいにノートをとりながら読み返そうと思いましたよ。


この本はこの時代が好きな人にはとても興味深いお話になっていて、

歴史推理という作品としてはジョセフィン・テイの「時の娘」を彷彿とさせてくれました。