携帯電話が鳴った。
電話にでると、いきなり 「よしこちゃん、よしこちゃんかいな」
「いっ、いえ違います」
「えっ よしこちゃんちゃうの」
「はあ。僕は、よしこじゃなくてよしおです」
「ほんまかいな~よしこちゃん違うんかいな。ほな、まちごうてかけたんやな」
「そうだとおもいます」
「いや~ごめんな。きるわ」
しばらくして再び鳴った。
「よしこちゃん、あんたにかけよう思てたのに、恥ずかし、まちごうて電話かけてしもたわ。それがなぁ、よしこちゃんやのうてよしおちゃんやて、ぐわはははははは」
「・・・・・・・・・・・・・」
取り込んだ洗濯物を畳んで仕分けをしていた。この春から長男が大学1回生、次男が高2、三男が中1となり、がたいがでかくなってきたので、下着やら靴下やら似たような柄だと、もうサイズではどれが誰のかわからなくなってきた。それぞれ分けていくのだが、靴下のペアがあわない。同じような白なんだが、よく見ると模様が違う。組み合わせたペアをもう一度確認するが、他はあってる。どこかに紛れていないかごそごそ捜すが、ない。う~ん、わからん。そのうちでてくるであろう。仕方ない、あわないペアはそのままにしよう。
そのあとスポーツジムへ行って着替えようと足元をじ~と見ると、先程のあわなかった白いペアの靴下を、オレが履いていた。
三男がインフルエンザにかかった。三男がいる部屋に入る部屋の隅っこになんか変なものが置いてある。なんじゃこりゃ。家人が、長男の部屋に置いてあった空気清浄機を、三男が寝ている部屋に移動させたのである。なんでもインフルエンザウイルスを99.9%除去できるらしい。そんなものがうちにあるなんて知らんかった。通常は静かなのだが、これが時々、凄い音をたてて、ファンを回すのである。センサーがあって、除去すべきものを関知すると自動的にファンが回るらしい。でも音がウルサイ。まるで風力時速何キロメートルの体験みたいである。
さて、三男の部屋に夕食を持っていった。三男はテレビも見ずに、横になっている。静かである。と、家人が入ってきた、すると急にファンがうるさく回った。「おかあちゃん来たら動くわ、ほこりまみれなんちゃう。」家人が清浄機に近づくとますます音が大きくなる。すごい!「汚染物を放出しているのか、それか加齢臭でも検知したんちゃうか。」そんな発言を軽くうけながして家人がでていきファンは静かになった。気になって、僕もそっと近づいてみた。そっと一歩一歩。よかった。何も回らん。「これは正しく機能しているようだ」ひとりつぶやく。