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オオカミ絵日記

故郷を離れ、人間の世界で人に化けて生活することになったオオカミの絵日記。
(このお話はフィクションです。なおかつ適当にお話を後から変えてしまう場合があります。
「おいおい前読んだ時と話が違うじゃないか!」などと怒らないでください。)

書くってことがオレに合ってるかどうかは解らないが 作家という仕事には慣れてきた。

生活にも余裕ができたので行くあてもなく散歩していると、
小学生くらいの男の子たちが集団で犬を痛めつけていた。
その犬は逆らうでもなく、逃げるでもなく、尻尾を丸めて子ども達のなすがままになっていた。



オレの姿を見た子ども達は痛めつけるのをやめたが、
オレが無関心だと察するとまたいじめ始めた。

横を通り過ぎるとき、
子ども達の会話が聞こえた。
「死んじまうぞ。」
「良いんだよ。おれの犬なんだから。」
犬の首には赤い首輪がついていた。

オレと犬の目が合った。

オレはそのまま歩き去った。
しばらく歩いていくと背後から子ども達の怒った声が聞こえた。

「あ!逃げた!」
「くそ!待てぇ!」
オレはかまわずに歩き続けて、人気の無い路地裏のカドをひとつ曲がった。

どうやら犬はオレの方へ走ってくるようだ。
オレは足を止め。
犬が追いつくのをまった。
犬はオレの前まで来ると
「くぅ~ん。」と一声ないてぐったりとなった。

カドの向こうから子ども達が追ってくる声が聞こえる。
オレは犬の首輪をはずした。

子ども達は息をきらせ、
理不尽な怒りを爆発させようと犬を追ってカドを曲がった。



そこには大きなオオカミが赤い首輪をつけて立っていた。
子ども達の一人が
「タロー?」
と言ったので。
オレは
「ワン!」(そうさ)と応えて奴らに襲い掛かった。



足を砕かれて泣き叫ぶ子ども達.。

オレは隠しておいた犬を連れ、 その場を立ち去った。
犬はもう呼吸をしていなかった。

オレは少し離れたお寺まで行くと、
住職に

言った。 
「のらいぬが死んでいたので供養して欲しい。」



住職は「そこの水道使ってもええからそいつをあらってやってくれ。」
と応えた。
オレは「どうせ土に埋めるんだからそんなのは無駄なことだ。」
と言った。
すると「水で清めてやるのがそいつに対する供養じゃ。」
と応えた。

オレは少し考え、
住職の言うとおりに犬の身体を丁寧にあらってやった。
その間住職は手伝うでもなく、黙ってオレを見ていた。

オレが犬をきれいに洗い終わると、
住職は「確かにお預かりした。後はわしにまかせておきなさい。しっかりと供養しておきましょう。」
と言ったのでオレはその場を立ち去った。

散歩の途中だったのを思い出し、
オレはいつもよりも遠くまで散歩することにした。
その途中、
小さな川にかかる橋の真ん中あたりまでくると、
ポケットの赤い首輪を川に捨てた。



家に帰ると冷蔵庫に入っていた牛肉500グラムを2枚。
血の滴るようなレアで食べた。
腹いっぱいになると、
オレはそれきり今日の出来事を忘れることにした。