NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の放映がはじまり、官兵衛がらみの話をする機会がふえてきました。そのとき、出てくる質問で結構多いのが、ここにあげた「戦国時代に軍師という言葉はあったか」というものです。NHKにもそうした質問が寄せられたとも聞いています。
たしかに、戦国時代の文献には「軍師」とは出てきません。大抵、「軍配者」といういい方をしています。「軍配者」が「軍師」に該当するということになります。ただ、全く、「軍師」が使われていなかったというわけではなく、以前、千草子さんが「『甲陽軍鑑』から読み解く主君と軍師の会話と関係」という文章(『新・歴史群像シリーズ⑥ 戦国軍師列伝』2007年)の中で、『三略』を講義した聞書『三略抄』に、「人ノ大功アル者ヲバ(略)軍師トナシ、上卿トナシ、大将トスル。是皆人臣ノ上デハ極位ゾ」とあるのを紹介しています。