去る7月14日、福岡県築上郡築上町で築上町主催による歴史シンポジウム「豊前宇都宮氏と豊臣政権」が開催され、特別講演として、「豊臣政権と九州統一」と題する講演をしてきました。他に、市村高男氏の「中世宇都宮氏の成立と展開」、土居聡明氏の「伊予宇都宮氏について」、則松弘明氏の「豊前宇都宮氏と黒田氏」、高尾栄市氏の「城井谷の城館」の4本の報告があり、パネルディスカッションも行われました。

築上町は人口約2万人弱ですが、この日、会場には500名ほどの方が訪れ、会場に入りきれず、急遽、別室にモニターを設けるほどでした。町長の話だと、歴史の講演会でこれだけの人が集まったのははじめてのことだということです。築上町の城井谷を本拠とする宇都宮(城井)鎮房が、秀吉の転封命令を拒否し、黒田官兵衛・長政によって謀殺された歴史があります。築上町およびその周辺には、このときの「豊前一揆」の中心となった宇都宮鎮房遺臣の末裔の方が住んでおられて、関心の高さに圧倒される思いでした。

築上町教育委員会では、このシンポジウムにあわせ、「豊前宇都宮氏の世界展」を開催し、シンポジウムのはじまる前、「豊前国城井谷絵図」のほか、宇都宮鎮房文書、「城井軍記実録」など、貴重な史料をはじめて目にすることができ、有意義でした。

なお、私は、シンポジウムの前日に入り、行橋市の馬ヶ岳城に行き、終わったあとも1泊し、中津市の長岩城にも行ってきました。長岩城は残念ながら山上までは行くことはできませんでしたが、宇都宮鎮房と同じく黒田軍に攻められた野仲鎮兼の支配地をみることができ、成果がありました。


なお、以前から、築上町のあたりに行くと、みやこ町の「九州菊 」(林酒造場 )を必ず呑むのですが、今回、特別限定品の「樋の口酒」というのを呑ませてもらいました。おいしかったです。