富士山が世界文化遺産に登録され、また、7月に入って山開きが行われたりして、ここのところ、テレビなどで連日のように富士山が取りあげられています。静岡では天気がよい日には毎日でも富士山をみることができるので、なれっこになってしまっていますが、地方の呑み屋で、女将が「生きている内に一度は本物の富士山をみてみたい」などというのを聞くと、あたりまえにみているのが申し訳なくなってきます。

私は、富士山には1度だけ登ったことがあります。誰がいいだしたのか忘れましたが、「親子孫3代の富士登山をやろう」という話になりました。父は信仰の関係で、毎年のように身延の奥の七面山という高い山に登っていて足に自信があったようです。私も私の子どもたちもたまにつきあい、また、山城にはよく登っていましたので、「よし、いくか」ということになりました。父はたぶんそのとき67歳、私は38歳、息子は小学校4年、娘は2年でした。

途中、高山病なのか、頭が痛くなって大変でしたが、無事頂上にたどりつきました。頂上から静岡の町をみるのを楽しみにしていたのですが、あいにく曇りで、みえませんでしたが、雲海にポッカリ島のように浮かんだ天城山は感動的でした。