浜松市東区中郡町(旧万斛村)の旧家鈴木権右衛門家の屋敷が、所蔵品・文書等と共に浜松市に寄贈されたということは知っていました。この鈴木家は、江戸時代、古独礼庄屋という特別な格式を与えられ、有玉の高林家と共に、この地を代表する豪農でした。元亀3年(1572)の三方ヶ原の戦いのとき、家康が側室の阿茶局をこの鈴木家に預けていたという史料を読んでいたので、一度訪ねてみたいと思っていました。
6月28日、たまたますぐ近くの浜松市立中郡中学校で講演を頼まれましたので、講演終了後、校長に案内していただきました。着くと、20人ぐらいの方が待ち受けていてびっくりしました。地元選出の市議会議員、町内会役員の方々、東区役所の職員の方もいました。この地域の歴史にくわしい郷土史家村木正彌氏のご案内で屋敷内をみてまわったわけですが、「地の神様」や土蔵など、さすが豪農との印象を強くしました。弓道場もあり、堀もあり、何となく土豪屋敷のおもかげを伝えています。
地元では、今年3月、鈴木家屋敷跡地活用準備会を設立し、いま、いろいろとアイデアを出しあっている様子でした。家財道具などもそのまま残っているので、江戸時代の豪農の生活を知る生きた教材になるのではないかと思いました。