歌人柳原白蓮の短歌と一宮市
木曽川畔にあった料亭「四季の里」(岐阜県笠松町)が、昭和10年(1935)ごろに発行の絵はがき1枚に、歌人柳原白蓮(1885~1967)が木曽川を詠んだ短歌が添えられている。
木曽川やながれにうかぶ月かげは
むかしながらのおもかげぞ見ゆ 白蓮
同じ短歌が、「四季の里」の対岸南の木曽川畔にあった施設「掬水園 雀のお宿」(1927~1936・現一宮市木曽川町里小牧)に贈られて残されている。昭和2年(1927)7月に白蓮が母子で「掬水園 雀のお宿」を訪れ、宿泊もしているとある。この時に白蓮が四季の里を訪れ、同じ短歌を贈られているのだろうか。
その後、白蓮が一宮市を訪れているのは、昭和23年(1948)10月30日に市庁舎正庁(2階)で開催された市教委主催「短歌大会」の講師としてである。テーマ「現代歌道の傾向」を講演し、応募された短歌の選者をつとめ、白蓮22首の短歌がガリ版刷りで残されている。
近詠の1首に
神の声きこゆるあらば教えてとふれふす如きおもいしてまつ
があるが、神の声とは真清田神社のことだろうかと想像しているが、詠まれた時期がいつなのかである。
歌人柳原白蓮が、一宮市を2度訪れていることははっきりしている。木曽川畔に歌碑をということはないだろうか。(岳紫のブログ2870)