起本陣山の彫刻
木曽川畔の金刀比羅社(一宮市起堤町)から北へ150mほどの旧道西側(御囲堤)に小さな緑地(一宮市起字本陣山)があって、中央に二つの銅像が並んで建立されている。昭和28年(1953)10月の頌徳由緒書(明治神宮宮司・侍従長藤田尚徳氏謹書)があり、丹羽産業㈱(毛織物染色整理加工・一宮市起)内に建立されていたが、廃業により移設された。
右に「丹羽由太郎翁之像」(賀陽恒憲書)、左に「丹羽豊一先生の像」(江崎真澄書)との銘板がある。賀陽恒憲氏(1900~1978)は元貴族院議員、江崎真澄氏(1915~1996)は自治大臣・総務庁長官などの要職を歴任。
丹羽由太郎翁(1868~?)は、明治33年(1900)起町に艶由整理工場を創設、のち名古屋・一宮に工場を増設、長年織物業界発展に尽力し、尾西機業に貢献された。
丹羽豊一氏(1892~1986)は
、一宮市起出身。丹羽産業社長・顧問、豊栄染整社長。昭和22年(1947)4月起町長に就任し、中島郡町村会長、愛知県町村会長を歴任、昭和30年(1955)初代尾西市長。昭和34年愛知県議会議員に当選し2期歴任。濃尾大橋の完成、尾西一中学の開校創立などに尽力された。彫刻家は判明できていない。