「3つ目の嵐」についてですが、簡単に言うと「知らないうちに自宅の借地が評判の悪い不動産会社に売却されてしまったことから巻き起こった騒ぎ」です。

 その騒ぎについて書いていく前に、自宅について説明させてください。

 我が家は「自家借地」でした。昭和20年代半ばに両親が結婚した時に、借地に立っていた家(建売?)を購入したものです。

 なので70年近くその土地を賃貸借していたことになります。

 自宅周辺の結構広い範囲の土地は、だいたい3人程度の大地主が所有していて、近隣住民はほとんどその3人の地主の店子になります。

 会社所有ではなく個人所有だったわけです。

 両親が元気な時の地主は徒歩圏内に住んでいましたので、毎年12月になると挨拶として一升瓶を持って行って、その時に一緒に翌年1年分の地代を払ってきていました。

 ただ、年月が経つにつれ、地主も代替わりしていき、広大だった土地も相続人の数に合わせて細分化されていったみたいです。

 私が知っているだけでも3人、地主が変わりました。

 元気なころ母はよく「代替わりの時に相続税対策で、この土地を買ってくれないかって言ってくれないかしらねぇ」と言っていました。

 そういう理由だと結構安く売却してもらえるからだそうです(知らんけど)。

 でもそういう相談は無く、1人目か2人目の代替わりの時に相続人がT県に住んでいることもあり、地代も持参ではなく口座振込に変更されました。

 今までは対面していてお互い顔も知っていたのに、名前しか知らない間柄になってしまったわけです(たまに年賀状のやり取りはしていましたが)。

 そして、2022年の秋にやはり代替わりがあり、翌年の地代の振込口座変更の通知が新しく地主になった人から来ました。

 その通知の名字が前の地主と同じだったので私は、「ああ、今までの地主が亡くなって相続したんだねぇ」と思っただけでした。

 だって、父はすでに亡く、土地の購入に意欲的だった母も認知症を発症して施設に入っていましたし、残った私は不動産を所有する気はさらさらなかったからです。

 このまま、多少の地代の値上げや契約更新時の更新料の値上げがあっても、借り続けていこうと思っていました。
 老後の生活設計もそれを念頭に計画を立てて、資金を貯めていました。
 そんな状況が一変してしまったわけです。
 次週はその始まりから書いていきたいと思います。