巡礼とは生まれてから死ぬまでを大急ぎで体験するための旅である。

社長です。
5日目になりました。

登り下りがけっこうあるので、登りが嫌いな私にとってはかなりしんどい。
しまいには平坦な道でもあるけなくなる始末。
休憩が大事だと気付きました。
1時間に5分、休むだけでかなり楽になりそうです。

さて、巡礼とは。
今日山の中で考えたことです。

これは生まれてから死ぬまでを大急ぎで体験するための旅であります。
準備期間は胎児の状態と考えます。
飛行機のチケットをとったり、必要なものを調べたりそろえたり…。
出発点へ辿りつくまでの期間が胎児と思ってください。
さて、サンジャンピエドポー。すなわち巡礼スタート地点にたどり着き、巡礼事務所で巡礼者としてのスタートをきります。
ここで巡礼者として生まれます。
赤ちゃんが息を吸う、泣く、おっぱいをのむ。
それが自然に出来るように、巡礼者は歩き、眠り、食べるということが出来るようになります。
そこからは、短い人生の始まりです。
人と出会い、助け助けられ、学び、教える。
毎日がぎゅっとつまった贈り物の箱をあけたかのように、ワクワクする出来事で溢れています。
起こる出来事をどうとらえるか?が、この40日という短い人生でとても大切なことになります。
嫌だなぁ、と思うことには1秒でも1分でも時間をさいてはいけない。
自分の生きたい方向へひたすら進む。
時に人の中で起こる出来事は予想外のように思えますが、そこは神の采配によるもの。
人が言う言葉は、自分の中からの言葉であり、起こる出来事はわたしが起こしたかったこと。
全てが完璧にプログラムされているこの道では、願いが叶うスピードも超特急。
あたまの中に浮かんだことは、すぐに現実化。
人が一生かかって体験するすべてを40日で体験する。
もっと思考を自由にして、もっと自分を信じ愛し慈しみ、守る。

ここに来ると自然と巡礼者になれる。
これは人類にプログラミングされている、なにかなのだと私は感じています。
山を登り、森を抜け、川をながめる。
街で人に会い、土地の食べ物をいただき、ワインをのむ。
その生活の中で、神様に心をむけること。
うまく表現出来ないけれど…。
神様の壮大な計画の中にわたしはいて、神様はニヤニヤしながらわたしのことを見ているんじゃないかな?と思うのです。

まだ5日目ですから、わたしは巡礼者としては子供です。
たくさんの人に助けられて、まだ自分の力量もわからず、ただ前に進み、生きる。
出来ることは、
こんにちは
ありがとう
美味しい!
ごめんなさい
あとは祈るだけ

明日、また山を越えます。
わたしはそこでまたなにか大きな成長があるのではないか?と思うのです。

この短い巡礼者としての毎日を、小さな人生に例えて、1日1日を愛おしく感じていきます。

一歩一歩、死へ向かう。
誰もが同じ条件で。


スペイン パンプローナより