「Anne Green of Gables」(赤毛のアン) | こだわりのつっこみ

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素人が音楽、小説、映画などを自己中心的に語ります。

レベル:若干長めで、単語もちょっと難しいものもあります。高校初級レベルで1~3日で読める分量でしょうか。


ジャンル:ヒューマン・青春


あらすじ(背表紙から):

"You don't want me!" cried Anne.
"You don't want me because I'm not a boy! Oh, what shall I do?"

Marilla and Matthew Cuthbert want a boy from the orphanage to help them on their farm.
But a thin little girl is waiting for Matthew at Bright River Station.
Anne, a funny and sometimes difficult child, changes everybody's life and wins everybody's love.


面白さ:★★★★☆


※以下、結末まで話します。嫌な方は見ないでください。










Anne of Green Gables, Level 2, Penguin Readers .../Montgomery
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内容:
心臓に不安をもつ年老いたMatthewは、妹のMarillaと2人でプリンス・エドワード島に暮らしていました。農業を続けていくために、2人は孤児院から男の子を引き取って、彼らの手助けをしてもらおうとします。

しかし、そこで間違いが起こってしまい、Matthewが迎えに行った先には赤毛の女の子が。その子の名前がアンであり、2人はアンを孤児院に戻して、新たに男の子を迎えようとしますが、アンの無邪気で純真無垢な性格、そして彼女の悲しい生い立ち(散々色々な家をたらい回しにされ、なかなか大人からの愛情を得れなかったこと)を聞いて、2人はアンを育てることを決心します。

アンは活発でよくしゃべる女の子で、時に失敗したり、誤解を生んだりもしますが、最後は街の人々もアンのその性格を知って、
彼女に心を開き、愛情を与えていくのです。

さて、しかしアンの怒りのスイッチが入ってしまうのは
「赤毛」
と、馬鹿にされること。

学校の女の子たちに人気のギルバートでさえも、かつて「赤毛」と馬鹿にしたことにより、アンは絶交します。たとえ命を助けられても。

さて、アンは(ギルバートもですが)、優秀な成績を修めていたことから進学し、そこでも2人はトップクラスの成績。
ギルバートは家が貧しいことから進学をせず、アンの暮らす地元で学校の先生になるとのことですが、アンは進学を希望します。

しかし、そんな折、Matthewが心臓の病で倒れ、亡くなってしまうという不幸が。
さらに、Marillaも働けない身なので、家を売らなければならない、ということを聞かされたアンは、全てをしてくれた2人に対し、今こそ自分がしてあげる番だ、という決意をし、進学を断念し、教職に就くことを決めます。
ただし、地元の学校はギルバートが赴任することになっており、アンは別の学校を探さなくてはなりません。

ですが、そのアンの置かれた状況を知ったギルバートは、自らが遠い学校へ赴任し、アンに地元の学校に赴任できるようにしたのです。
進学した先でも一切口をきかなかったにもかかわらず、ギルバートのなんとも粋なプレゼント。

それから2日後、アンはギルバートと道で出会います。
「どうもありがとう、今までのことすべて本当にごめんなさい。今からお友達になってくれませんか」とアン。
「もちろん」とギルバート。

暮れていく日を見ながら、すべてが、うまくいくとアンは思うのでした。


感想:
邦題は「赤毛のアン」。読んでいなくても、誰しもがそのタイトルは聞いたことがあるでしょう。

とっても面白く読めました。

細かいエピソードはあらすじでは省きましたが、展開は

 アンが失敗する、もしくは誤解される。
            ↓
 しかし失敗を取り返そうと奮起する、もしくは誤解が解ける。
            ↓
 結果、アンはそれまで以上に好かれる。

というものがほとんどです。
でも、サザエさんのように、このワンパターンな感じがすごくいいんですよニコニコ
引っ張ってきたギルバートの仲も睦まじい方向になりつつあるので、とっても後味がよい。

しかし、意外だったのが、「赤毛」って結構向こうの人にとって見たら、バカにした言葉なんですねぇ~。

そうそう、この本で一番胸がきゅんとなった部分を最後に紹介しますね。

それは、アンがMatthew家にやってきた日の、MatthewとMarillaの会話。
アンの性格を知って一緒に暮らそうとMatthewは提案しますが、Marillaは反対します。

「でも、マシュー、あの子はここには置いておけないわ。女の子は農場であなたの手助けをすることはできないもの。」

「でも、多分私たちがあの子を助けることができるかもしれない。」

いいですねぇ。
子供を愛する、ということを知ったMatthewとMarillaは幸せだったろうな合格