芥川龍之介の『芋粥』に出てくる
「芋粥」
をご存じでしょうか?
ㅤ
ㅤ
私はイモの粥(←そのまんまやん)
と思っていたのですが、
平安時代は薯蕷粥とも呼ばれ、
「ヤマノイモを切って」
「甘葛(あまづら)汁で煮た」
いわば
「善哉のようなもの」
だったそうです。
ㅤ
ㅤ
この「甘葛」こそが
縄文時代からの
「日本古来の甘味料」
だったのです
ただムチャ手間がかかるために
「高価だった」
ようで、庶民の手が届くもの
ではありませんでした。
ㅤ
ㅤ
だから『芋粥』で下級貴族も藤原利仁に
「芋粥を飽きるほど食べたい」
と口にしたわけですね。
ナットクです
ㅤ
ㅤ
そのためでしょう、
江戸時代に入って幕府の奨励で甘味の王者
「砂糖」
が広く普及すると、一気に廃れてしまい、
今では
「甘葛は幻の甘味料」
となっています。
ㅤ
ㅤ
でも最近
各地で甘葛煎を復元するイベントが
開催されているみたいですね
ㅤ
ㅤ
甘味には
「麻薬」
「アルコール」
と同様、脳に快感を与え
「長期間摂り続けることで」
「脳内の快感耐性スイッチがON」
になり、さらに多量摂取しないと
満足しなくさせる強い力があります。
ㅤ
ㅤ
いわゆる
「中毒」
「依存症状態」
です。
それだけ
「人間を魅惑する」
ということです。
だからこそ世界中で、
甘葛をはじめ甘味料には
古く長い歴史があるのです。
ㅤ
ㅤ
スイーツ人気の一方で
「健康志向」
が高まる昨今、
長きにわたる砂糖の天下はグラつき
「代替甘味料への置き換え」
が進んでいます。
ㅤ
ㅤ
「砂糖より低カロリー」
「高血糖にもならない」
という点で支持されているようですが、
個人的には
「たとえ天然成分由来でも」
「精製しているのはどうなのか?」
と思います。
ㅤ
ㅤ
なぜなら
「砂糖であれ」
「ステビアであれ」
「ラカントであれ」
「依存症という点では同じ」
で、人間が甘みを欲する状況は
「あまり好ましくないのではと思います」
ㅤ
ㅤ
それに長期的な糖代謝や腸内細菌叢への
影響はまだそれほど研究が進んでいるとは
いえず、
「低カロリーだけを根拠に摂取を推奨する」
のには疑問を感じます。
ㅤ
ㅤ
私自身甘い物好きなので、
あまり偉そうに言えませんが、
フルーツを除けば
「自然界では甘い物は非常に少なく」
「常時スイーツを大量に食べられる現代は」
「常軌を逸している」
といえます。
ㅤ
ㅤ
健康・美容と甘味欲の両立はホント難しい
ものです
ㅤ
ㅤ
/
ㅤㅤ
でも一生涯甘味を楽しめるように、
日頃はなるべく甘味に振り回されない食生活を
送ってほしいなと思います
ㅤ
\ㅤ
ㅤ
ㅤ
ちなみに・・・
「日本最古の糖尿病患者」
とされる
「藤原道長」
は、
「蜜をかけた蘇というスイーツや」
「甘栗を」
「好んでよく食べていた」
そうです。
ㅤ
ㅤ
現代販売されている蘇は100gで400kcal。
カロリーメイトブロック4本(80g)並。
これに蜜をかけるとなると・・・
あのカロリーメイトに蜂蜜か・・・
ㅤ
ㅤ
病のため、
「太政大臣は2か月で辞任」
「以後10年の闘病生活の末」
「この世を去りました」
栄華を極めた
道長の晩年は悲惨だったのです
ㅤ
ㅤ
最後まで
お読みいただき有難うございました。
@きたがわゆういち