【JFL 観戦記】SP京都vs奈良クラブ  ~最後に、君のそばで会おう~ | てぃふぉーじのある日常〜footballを添えて

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Tifosiのメンバーがサッカーについて勝手気ままにつらつら語るブログ。活動紹介やイベント告知もちょいちょいあります。

アキくん観戦記書くの早すぎやしないか!?

ということで思ってたより早く書き始めていたのですが、やっぱり遅くなった菅です。
SP京都-奈良クラブの観戦記を両チームの目線から書きましょうよとアキくんから死ぬほど殊勝な提案をいただいたので、協力させていただきます。


まず始めに、この観戦記ではSP京都のことを佐川印刷、印刷と表現する我が儘をお許しください。


この試合までにTifosiでは佐川印刷に関する観戦記が3つ書かれてきました。意外とTifosiになじみ深いクラブなのです。

佐川印刷-SC相模原戦佐川印刷-町田ゼルビア戦佐川印刷-FC琉球戦です。このうち2つは私が書いたんですけれども。まとめるとびっくりしましたが対戦相手は全て現在のJ3に所属していますね。そしてFC琉球は一応何とかなってます一応。
特にSC相模原戦の観戦記はTifosiメンバーからたくさんお褒めの言葉をいただきましたが、いま読み返すと冗長だし締めも恥ずかしいなーなんつって。宣伝ツイートも婉曲すぎて全然拡散されてませんでした(こないだこっそり見直した)。

そしてご存知の通り今年限りで佐川印刷が13年間戦い続けたJFLを退会するという報道があったので、今季最終戦、これは行かねばならぬと思って西京極へ足を運びました。
ちなみになんですけど、個人的興味から印刷がJFLで戦ってきたJクラブを調べてみました。

J1
松本山雅FC

J2
ロアッソ熊本(ロッソ熊本時代)
栃木SC
ファジアーノ岡山
V・ファーレン長崎
ギラヴァンツ北九州(ニューウェーブ北九州時代)
ツエーゲン金沢
カマタマーレ讃岐
FC岐阜

J3
グルージャ盛岡以外全クラブ

Jリーグ新世代って感じがしますね。現J2の1/3のクラブとJFLを戦ったわけですか。

会場に着くと、他のクラブからの弾幕や印刷を惜しむ弾幕が多数。まさに「JFLに輝く栄光のプリントダイナマイト」へのリスペクトにあふれており、それ故にセンチメンタルな光景でした。






ピッチでは佐川印刷のレジェンドマッチが行われていました。誰が誰だかわかりませんがFC琉球の小寺一生にはテンション上がりました。あとポトフこと美濃部さん。
前座にありがちなとにかくのどかな光景でした。見せ場は2-2で迎えた後半終了間際!

ペナルティエリア内で誰かが仕掛けて、倒れた!?いや倒された!?
→一瞬躊躇しつつPKの笛を吹く主審!PK決まって3-2で決着ついて終わりだなwと思う観客!
→このPKをクロスバーにぶち当てた挙句跳ね返りを外す!観客大ウケ!!
→直後のロスタイム、ペナルティエリアに入った縦パスにDFが完全に足狙いの後ろからのスライディング!またもPK!見え見えすぎる!
→このPKをさっきと同じ人が決めて3-2で決着!観客は拍手喝采!!

茶番ですねCHABAN。素晴らしいじゃないですか。ハッピーエンドは何より肯定されるべきだ。

試合が近づくにつれてJFLとは思えないほど観客が増えていました。奈良クラブサポも多かったですし、佐川印刷側にもファン、サポーターが多くいました。太鼓、声出しの人もいますし、少し離れて座って見ている人も。どんな形で印刷に関わった人たちなのかは分かりませんが、最後を見届けに来たのかなあと思うとやっぱりセンチメンタルになりました。



噂の奈良クラブの応援は楽しそうでした。あの雰囲気がいつまで続くかなあ…。

さて肝心の試合ですが、右サイドを崩した印刷が早々に先制。相模原戦で決勝点を決めた藤本選手です。ここから印刷はボールを持てば全く慌てずに最終ラインを経由してゆったりつなぎ、相手が食いついてきたらそこをシンプルに狙うという老獪極まりない試合運びを見せます。
全員が落ち着いているためボールを奪われず、決して縦に急がず、ゴール前ではパターンっぽい動きでシュートまで持ち込む。なんて戦いたくないチームだとw そしてどこがダイナマイトなんだと。
低い最終ラインを敷く奈良クラブは余計手こずっていました。右サイドの選手にスピードがあってそこから何度かチャンスを作りますが決めきれません。あと先制してからの印刷はGKが中々ボールを持ち上げないアレで時間稼ぎを始めて、早えよってずっとケラケラ笑っていました僕。


ハーフタイムにはJFL@西京極名物の鳩の群れが現れました。多分サンガの試合では人が多すぎて見れないんだと思います。この後3倍くらいに増えました。スタンドからは「鳩!鳩!」コール。


後半になると割とオープンな展開になります。奈良クラブもチャンスを作り始めますが、最後のところで印刷が踏ん張ります。



この日ほど電光掲示板の時間を気にしながらサッカーを見た記憶はありません。
JFLの贅沢な時間が無くなっていくのがとても寂しかったです。

チャンスを逃すと「もーうちょっと!」
ピンチを切り抜けると「たーすかった!」
鳩が飛来すれば「鳩!鳩!」

誰にも縛られない応援を肴に、目の前のフットボールだけを楽しめる時間です。





1-0で逃げ切ったSP京都は、JFL年間6位で、シーズンを終えました。

長くJFLで戦い続けながら、Jへの門番とは称されることのなかった月見草に、サポーターから紙テープの花束が贈られました。


最後のセレモニーの最中にはかつて印刷に在籍した松本山雅の塩沢選手と京都サンガの下畠選手からボイスメッセージが。西京極では映像が見れないということでこの日ほど京都市のスポーツへの低い意識を憎んだ日はありませんでした。奈良クラブからも弾幕が。



そして選手たちがスタンドに来て記念撮影。その後ピッチで記念撮影をやるとのことでしたが、グダグダだったので予定のあった僕は先に帰らざるを得なくなりました。でも初めて西京極のピッチに立てて感激しました。正直この日一番…?







印刷が歴史に一つのピリオドを打ったこの日、横河武蔵野FCがJリーグを目指すとの発表をしたそうです。
SAGAWA SHIGAや少しマイナーですが三洋電機洲本(パナソニックエナジー洲本)など企業を母体にする古豪クラブの解散が相次ぎ、J3の設立と共にJFLの在り方がこれから大きく変わってしまう予感がしてしまいます。
スポーツを観戦する文化が乏しい日本ですから、商業主義的に華やかな舞台を用意して社会に浸透させていくやり方にノーとは言えないのですが、いつかそれが豊かな文化として熟していって、JFLとか地域決勝とか、ピラミッドの土台になる部分にも陽の目が当たるようになって欲しいです。
努力を続けてボールを蹴り続けて辿り着いたのがJFLで何が悪いんだ。

自分でもびっくりするくらい堅い文章が並んでしまったのですが、要するに言いたいことはJFLって楽しいぜ!!!ってことなんです。本当に。
普段の色んなことぜーんぶ忘れて、目の前の試合だけを楽しめるんです。
佐川印刷が無ければ僕はSC相模原もFC琉球も近所で見られませんでした。全国のクラブと繋がってるんです。
自分にゆかりのないJ2とかJ3の試合行けばいいじゃんって?それが流れてる空気が何か違うんですよ!行かないと何事も分からないでしょう!一度行ってみてくれ!文句はそれからだ!


雰囲気ぶち壊しのわやくちゃな締めになってしまいましたが、佐川印刷の全関係者の皆様、本当にお疲れ様でした。僕が見に行った3試合全てで幸せな時間を過ごせました。本当にありがとうございました。

最後はメロディがとても耳に残る印刷の応援歌をご紹介して終わりにさせていただきます。
残念ながら映像は見当たらなかったのですが、いつかこの歌がどこかのスタジアムに響き渡るように祈っております。


「前略、道の上より」に合わせて
佐川印刷よ いつか輝くその日まで
夢は終わらない 咲いて咲かせて咲き誇れ
(ドドドン)印刷!!(ドドドン)印刷!!(ドドドン)印刷!!
さがーわいんさつ!!






<今日の一曲>ストレンジカメレオン/the pillows
満を持してのpillowsの名曲です。ロックの魂を感じて下さい。
「君と出会えて良かったな」