佐川印刷vsFC琉球観戦記 ~明日はどっちだ~ | てぃふぉーじのある日常〜footballを添えて

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Tifosiのメンバーがサッカーについて勝手気ままにつらつら語るブログ。活動紹介やイベント告知もちょいちょいあります。

ご無沙汰しています。菅です。僕が「魂を売る」の考案者です。
今年ももうおしまいですね。光陰矢の如しです。好きなチームがオフシーズンに入ってからサカつくみたいな人事を始めたりしていますが僕は生きています。生きねば。
年末年始ということで沖縄に帰ってきております。実家で一人暮らしです。実家のMac使いづらいです。そうそう、沖縄といっても冬はそこそこ寒いんですよ。なんと夜は気温16℃です。冷え込んでますね~。
さてJ2に降格した上に(今「こうかく」って打ったら予測変換で「攻殻機動隊」が出てきましたどうでもいいですね)天皇杯もJ2に負けて早々と終戦したド田舎弱小ボンクラフロントクラブのサポーターがこんな時期に何の用かというと、今回の記事はジュビロ磐田(ジュビロって言っちゃったね)の件ではありません。
ここ沖縄をホームタウンとするサッカークラブ、FC琉球のことについてです。

FC琉球
もともと九州リーグで活動していた沖縄かりゆしFC(「かりゆし」とは沖縄弁で「めでたい」とかそういう意味ですって41へぇ~)から分裂するような形で発足。2006年からJFLに昇格し、トルシエ総監督やニコニコ動画との提携、ぐしけんくん(仮)などのネタをふりまきつつ下位~中位でうろうろ。来シーズンからJ3への参入が決定。チームカラーはベンガラ色。ファジレッドより少し暗い感じの赤。

そんなFC琉球が関西でみれるのは佐川印刷戦だけ、ということで11月9日におこなわれた佐川印刷vsFC琉球の試合を観戦に行ってきました。

せっかくなのでしっかり応援したいと思っていたけれど、会場は太陽が丘陸上競技場というところで、そこのサブグラウンドで僕も何度も試合をしたことがあるということで、試合前のウキウキは0。当時淡路島で行われていた地域決勝を帰省がてら見に行けばよかったなあ三連休に俺何やってんだろうとテンションも0。おまけにバスの系統間違えて会場から少し離れた方の入り口に行ってしまい、もう世界でも何でも滅びろよ的な気分でした。

競技場に着くとそれはそれは人がいない。入り口付近には印刷のサポーターズクラブのテントと沖縄にスポーツチームの合宿を誘致したいっぽい人にチケットもぎりの計6名だけ。入場すると小学生が前座試合をしており、客席には親くらいしかおらず、お目当ての琉球サポーターもいません。太陽が丘公園のお食事スポットでカツカレー(験担ぎ)を食ってしばらく待っていると2人の琉球サポがきてアップ中の声出しを始めたので、その後ろの席に移動して微力ながら僕も声を出し始めました。ぐしけんくん(仮)も来ていました。
印象に残ったのは一柳選手のチャント。沖縄出身の歌手、喜納昌吉さんの「花」のサビに合わせての「いちや~な~ぎ~ いちや~な~ぎ~ぃいぃい~」はツボに入りました。琉球側はこの2人と僕(声出してるのはこの3人)の他におじさん1人おばちゃんが2人とおばあちゃんが1人だったかな?おばちゃんからはお菓子もらいました。印刷側は名物の1人サポの人がいなかったので声出し応援はなかったはずです。あとの観客はほとんど前座の小学生と親たち。
アップの様子。


さてさて!ここでFC琉球の注目選手をご紹介しましょう!
GK 森本悠馬
身長176センチ(僕と同じ)とかなり小柄ですが驚異的な反射神経を生かしたセービングを見せるJFL屈指の守護神。ビーチサッカーの日本代表候補でもあった。

DF 笠松亮太
東京Vユース→慶応大学という経歴で、4年時にはキャプテンも務めたというのにFC琉球に来てくれた漢の中の漢(だと個人的に認定)。

FW 高橋駿太
U-17代表経験もあり、2012年には琉球でJFL得点王、今年も開幕から8試合連続ゴールのJFL記録も樹立したエースストライカー。

FW 我那覇和樹
ご存知元川崎のFW。様々な騒動に巻き込まれたが、地元チームで花開けるか。

超ざっと言うとこんな感じです。他にもある意味注目すべき選手として永井秀樹を挙げておきましょう。この日のスタメンでは高橋が外れていたので残念でした。

そして試合が始まると目立っていたのは笠松。プレーをみるのは初めてでしたがインテリジェンスなディフェンスに加え、178センチと上背はないもののヘディングもほとんど跳ね返していて、空中戦フェチの僕にはたまりませんでした。
そして琉球のU-15から流経大柏高校を経て琉球に戻ってきたルーキーのFW真栄城もドリブルで魅せます。個人的には彼の方が惹かれました。ドリブルが、そしてサッカーが大好きなんだろうなっていう選手に見えました。

おそらくパスをしっかりつなぎたいのに芝が悪くてつなげない琉球と、しっかり守って素早く攻めたい印刷という構図で落ち着かない展開が動いたのは前半の中頃。CBの伊藤が大胆に持ち上がってFWの真栄城へつなぎ、股抜きのゴール。ロングカウンターで琉球が先制しますが、その直後にセットプレーを2連続で決められてあっさり逆転。前半を折り返します。

ちなみに前半途中で多分琉球グラナスというサポーター団体の人が1人到着し、でかい音で太鼓を叩いて応援がややヒートアップしました。
ではここで印象に残ったチャントをもう1つ。琉球民謡特有のシャッフルビートが炸裂しているこちらです。

「いやさっさ」とは沖縄のエイサーでのかけ声。僕も指笛を鋭意練習中です。



ハーフタイムの様子です。前座の子供たちがリレーしてました。しかもこのあと、今年限りでマスコットを引退するぐしけんくん(仮)に今までの功績を称えたセレモニーが行われました。アウェーなのに。感動の瞬間でした。あとこの辺で4人くらい琉球側に若い人が来ました。沖縄出身だったのですかね。物好きな人たちです。

後半に入っても相変わらずつなげないFC琉球。またもセットプレーを起点にされて3点目を許します。途中高橋が入ってきますがなぜかボランチ。いい形はまっったく作れずもうボッコボコ。それでもなんとか耐えて終了間際に我那覇が1点返したもののとき既にお寿司(死刑)、もとい遅し。2-3で敗戦となりました。

まぁまぁまぁ久しぶりにFC琉球見れたしグラナスの人の濃い沖縄方言も聞けて懐かしかったし楽しかったな~J3上がれたら笠松のレプユニ欲しいな~程度の感想でその日は帰ったのですが、この記事の本番はなんとここからです。

大方の予想通り、来期から発足するJ3リーグにFC琉球が入会することが11月19日に発表されました。しかしその後の11月26日に、森本や笠松を含む選手16人に対して来期の契約を更新しないことを発表します\(^o^)/
さらにその後もレンタルバックや退団の発表が相次ぎ、最終的に残った選手は9人\(^o^)/
うち2人はレンタル選手で、ゴールキーパーは0人\(^o^)/

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

「おれはスタメン選手のレプユニを買おうかと思ったら
いつのまにか選手がほとんどいなくなっていた」

な…何を言っているのかわからねーと思うが 
おれも何が起こったのかわからなかった…
頭がどうにかなりそうだった…プロクラブとか経営不振だとか
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ
もっと恐ろしいものの片鱗を 味わったぜ…


AA略。ということでですね、えーと。とにかくえらいことになってます。割と笑い事ではありません。まあおそらく来期以降の経営を見据えてのことだと思われます。J3はアマチュア選手も認められているようですし。

もちろん経営への心配がなかった訳ではありません。我那覇をはじめとするJ経験者を多く抱えていましたし(我那覇は残ってますが)、監督も長野パルセイロを上位に導いた薩川さんを招聘しており、JFLレベルでは十分すぎるくらいの戦力を保有していました。

上を目指す姿勢だと言えばそこまでですが、ホームゲーム平均入場者数が約2000人のクラブには身の丈に合っていなかったのでしょう。

それにしても、それにしてもですよ。主力から若手から古参のベテラン選手から計22名が同時にチームからいなくなるなんてはっきり言って異常です。しかもJ3という舞台に挑戦する最初の年にです。酌量の余地は一片もありません。ありえません。中長期的な視点がどこか欠落していたのでしょう。

しかも今日まで待ってみましたがフロントからの説明もありません。新年に名古屋でセレクションを行う旨を伝えたまま年末年始のお休み中です(O河内さん受けてこいよ今キーパーいねえぞ)。こんなことやってては成績ももちろんですが、サポーターやスポンサーもついてきません。新卒選手だって躊躇しますよ。ただでさえ特殊な立地に、決してサッカーが盛んとは言えない土地柄です。これからどんな事態が起きても驚きません。


僕は正直沖縄という土地にはそこまで愛着がありません。それでもFC琉球にはずっと注目していたし、新しいスタジアムが那覇市のモノレールの駅に近い好立地に出来るかもしれないという話にはワクワクしていたし、加えてお祭り好きでやたら郷土愛の強い沖縄県民のことですから、しっかり根付けばそこそこの規模のクラブになるのではないかなと期待していました。なかなか県出身の有力な選手が出てこないのがネックですが。アウェイ動員も本土からバカンスがてら少し来てくれないかなと。観光業界と手を組んで上手くいかないかなと。期待もしてたわけです。

なんとかなんねーかな。これからどうなんのかな。皆さんも注目してみてください。沖縄で観戦会してもいいですよ。僕は全然観光地とか行ったことないんで案内できないですけど。ていうか笠松はマジでどっか拾ってください。

ちなみにこの試合のあとFリーグのデウソン神戸vsアグレミーナ浜松を観に行って、浜松のウナトラスさんと一緒に応援をしたのですが、なんというか色んな世界があるんだなあと思いました。この試合については怪鳥が書いてたはずなのでそちらも参照してください。
僕が1つ感じたのは、女々しくてのチャントのときの太鼓は原曲に合わせて

決めてくれ!
決めてくれ!
決めてくれ!
(ドン!)←
はーままつー

とした方が間が締まってよさそうだなってことです。現状では矢印部分に太鼓が鳴らないので決めてくれと浜松の間が気持ち悪かったです。


それでは皆様よいお年を。来年も日本サッカーが、特にJリーグが発展しますように。あと京都が昇格できますように。あと磐田の動員が減りませんように。経営も傾きませんように。あと磐田ユースが躍進しますように。あとJ3もJFLもそれなりに注目されますように。