2014年総括 【セレッソ編】 | てぃふぉーじのある日常〜footballを添えて

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Tifosiのメンバーがサッカーについて勝手気ままにつらつら語るブログ。活動紹介やイベント告知もちょいちょいあります。

長らくご無沙汰していました、セレサポのスバルです。

毎年今のようなオフシーズンになると、スタジアム観戦ができなくなって暇人が出現するTifosiのJリーグサポたち。サッカー観戦欲を持て余した人たちは、「2014年シーズン総括」なんてものを始めるみたいです。一番乗りというのは、暇の象徴なのでしょうか。


今シーズンの後半戦は、相手よりたくさん点を取ることがどれほど無理ゲーに感じたことか。サッカーに絶望して、セレッソ以外の試合を観る元気が湧かない日々を過ごしていました。
Tifosiの「今シーズンを振り返る」という企画は、関西人たるセレサポにとってはもはや自虐ネタになりますが、他のクラブではできない壮絶な経験をさせてもらったので、しっかり振り返りたいと思います。


桜が舞う4月。セレッソは間違いなく満開でした。日本代表の新スターが二人いて、世界的ストライカーが入団して、他にもユース育ちのプレーヤーが多数主力レベルに成長して、優勝候補にも挙げられました。

フォルランの入団会見

桜満開


戦績も、5節終了時に2位。順風満帆に見えました。

ただ、そこからW杯期間までの勝利数はわずか1。原因はおそらく、固定されたメンバー・ワンパターンな戦術により相手に研究されたこともありますが、なによりもACLとの掛け持ちにより選手の疲労が大きかったと思います。Jクラブの中には明確にACLでターンオーバーを敷くクラブもあるほど。この面で、前半戦の失速は、ある程度致し方なかったとも言えます。


W杯が終わった直後、昨シーズンの絶対的エースであった柿谷の移籍と、監督解任が発表されます。個人的には、この新監督ペッツアイオリの戦術は、すなわち運動量を上げて前線からプレスをかけるやり方は、荒唐無稽だとは思いませんでした。なぜなら、ポポビッチ監督の戦術の最も足りない部分は、守備時のアタッカーへのプレスの仕方に問題があると思ったからです。偶然にも、今のアギーレジャパンと同じフォーメーションなのですが、全体的に小柄な選手が多いセレッソの選手に向いている戦術だと思ったのです。良さが出たのが、アウェイの川崎戦でした。リードされても、何度も追いつき逆転しようという意思がチーム全体から伝わってきました。フォルランのスーパーボレーゴールもありました。
この試合は、4ー5と負けはしましたが、セレッソというチームの色が前面に出た今シーズンのベストゲームだと思います。


しかし結果は、リーグ戦勝ち星なし。考えうる最悪の結果でした。原因は、主に2つ。新戦術がフォルランに合わない中、クラブ幹部の意向で同選手を使わざるを得なかったこと。もう一つは、キャプテン山口蛍の離脱です。結局、選手層が、新戦術には全く合わない戦力になってしまったのです。


大熊新監督になった、最後の数ヶ月は見るに耐えない惨状でした。唯一の収穫は、ユース出身選手だけで攻撃陣を構成しても、まだJ1レベルにはないのだということを理解したことぐらいです。念のため言及しておきますが、香川も乾も清武もセレッソユース出身ではありません。ユース出身者を露骨に優遇する大熊監督の下、チームは完全に分解してしまいました。どの監督・首脳陣も、選手に合わして得意の戦術を微調整するのは当たり前です。絶えず変化する生き物を自分の好みの型に無理やりはめ込んでも窒息死するだけでした。

ただ、最後まで好プレーを見せ続けていた選手もいました。特に、途中加入した元シュトゥットガルトのカカウと、いまや韓国代表の正GKに成長したキムジンヒョンです。攻撃と守備でそれぞれ孤軍奮闘の活躍でした。
MVPは、セレサポ内でもこの2選手に票が割れましたが、僅差でジンヒョンになりました。


今シーズンは、セレッソ大阪というクラブの集大成を見せるシーズンだと、サポーターは意気込んでいたのですが結果は見ての通り。失敗の原因について様々な要因があると思いますが、セレサポ内で一番言われているのは、「クラブの目指すサッカー」を確立できなかったこと。他サポから思われているのは、ネームバリューが先行し、それと実力が一致していなかった状況になったこと。大体こんなところでしょうか。
来シーズンは是非、健全な選手競争をして、玉田圭司や茂庭照幸などのベテラン勢と大勢昇格したユース出身者の間でポジション争いして欲しいと思います。そして、選手・監督・経営陣が渾然一体となって、目の前の試合に全力で勝ちにいってほしいと思います。


ただ、最後に、長年セレッソサポーターをやってきた身として、叫ばずにはいられない。サッカーが上手い選手が評価され、上手いから人気が出る。そんな当たり前のことがどうして今年のセレッソでは成立しなかったのか?一体誰が選手の能力と知名度をバラバラしまったのか?どうして他のチームからエースを引き抜きまくったわけでもないのに、他サポから疎まれる存在だったのか?
俺は問いたい。サッカーを取り巻く環境で最も大切なのは誰か。それは選手だ。身体をボロボロにして働く選手だ。観客でも経営陣でも、ましてやサッカーをビジネス志向で広めようとするマスコミでもない。どうして選手のプレーと関係ない所で人気が作られていったりするんだ?みんな、ちゃんとプレーを見ろよ。選手の頑張りを見ろよ。しっかりプレーを観ている人は、選手を国籍や所属クラブや経歴だけで判断しないはずなんだ。
その点、現場を見ずに先入観だけで「サカつく」をやっていた岡野社長は、まさにこの結果の裏MVPだよ。セレサポの疑問