安芸の国から ’21 夏 前編 | OVER THE GREEN

OVER THE GREEN

毎日が体力勝負の四十路男が、より大きな自己満足を求めて遊び続ける備忘録です。

拝啓、日本全国1億2700万人の皆様。

今日も自己満足出来ていますか?

僕は今年も何か思い出に残るような事をやりたいと考えていたのですが、昨夏の自転車魚突きキャンプの楽しかった記憶が未だに脳裏に焼き付いており。

それとは違った方向性でインパクトを求める気持ちよりも、あの時の楽しさをもう一度体現してみたいなという気持ちがどうしても上回り、それなら今年はカヤックで昨年と同じ事をしてみようかなと思ったわけで・・・。


『自己満足の追求。』先月のブログにも綴ったソロキャンプ。車で現地に向かい、自転車でツーリングした後にキャンプ場でソロキャンプ。翌日は海で潜って、車で帰宅。これはこれで楽しかった。…リンクameblo.jp



というわけで、今年は一人ぼっちのカヤッキング魚突きキャンプを開催致します。

天気予報は2日続けて残念系の予想を呈しておりますが、予報はあくまで予報に過ぎず。

・・・と言うより、この程度の悪天候を理由にせっかくの休日の活動を自粛するなどという選択肢はなく、むしろ自宅で悶々と過ごした挙句に、


『あー、やっぱりこの天気ならキャンプに行けたかもー(涙)。』


と空を見上げて嘆くよりは、雨が降ることを受容した上で、その環境の中でも楽しんでやるぞと腹を括って割り切れば、たとえ想定外の豪雨に見舞われたとしても、その逆境すらポジティブな気持ちで捉えることが出来るというもので。


そう、全ては気持ちの持ち方ですよ。

おそらく太陽が顔を見せることのない2日間。9月に四十路のおっさんが雨の中を一人ぼっちで野宿すると思えば少なからず哀愁が漂ったりもしますが、9月=秋だと思うからいけないんです。

まだまだ夏は終わってはいません。

むしろ、夏真っ盛りです。

さぁ、今日は8月38日の火曜日。

車の中に荷物を詰め込み、向かった先は三原市にある須波海浜公園。

曇天模様の空の下、車内の大量の荷物をカヤックに無理矢理乗せて、いざ出港。

船の往来に気を配りながら、約2km沖合に浮かぶ小佐木島を目指します。


出発から30分程で小佐木島に近付くことが出来ましたが、小佐木島の周囲は無風にも関わらず海面が波打つほどの激流となっている海域が多く点在し、潮流の速いエリアでは一心不乱にパドルを回しても呆気無く押し戻されてしまう様な場面もあり。

已む無く最短ルートでの航行は諦め、当初の予定とは逆回りに島を旋回し、小佐木島唯一の港へと向かう運びとなりました。

ちなみに今年のキャンプ地となる小佐木島は、島民の人数は僅か10人足らず。昨年同様、自販機すら1台もない商業施設とは無縁の小さな小さな有人島となっています。


そしてカヤックを陸揚げした船着き場には、比較的清潔感のある待合室があるのですが、

もしかして雨が降るかもしない今日の様な日は、この待合室が最高のホテルになるのでは?と直感的に思った次第。

だって、ここは僅か人口数名の離れ小島ですよ。

船の往来は一日数便で、最終便は17時03分。

少なくとも、その後にこの待合室を利用する人は誰も居ないわけで。

ここならどんな悪天候でもモーマンタイ。

扇風機はおろか、AEDまで付いている。

ベンチを向かい合わせにしてベッドにして、


その上にマットと寝袋を敷けば、、、


もう最高じゃん。。。


あとは始発の船が来るまでに綺麗に撤収して元に戻しておけば全く問題無いっしょ。

やったー!


これで一番の懸念材料が吹き飛んだぜ!!

・・・って猛烈にテンションが上がったんですけどね。

もー、誰よ?


待合室の中で魚を捌いた不届き者は!?


ちっ…

まぁいいや。


今夜は駐輪場の屋根の下で寝るとすっべ。


ひとまず船着き場の空きスペースにカヤックを放置し、昨年同様、今年も漁具となる手銛の製作から島時間のスタートです。

まずは島の中を歩いて散策し、手銛のシャフトとなる素材(竹or笹)の調達を行います。




島を一周して得た戦利品は、

笹の棒が2本と、コンテナ1個と、野球ボール1個。


残念ながら竹が手に入らなかったので、今年も強度に難のある笹を代用することになりました。

これに市販の銛先を強引に固定し、裂けた笹をワイヤーで補強して、無事完成。

笹銛3号・小佐木銛と命名されました。

目の前に広がる海は激流のため(写真では分かり辛い?)、潮当たりの緩いエリアにて食材調達のための突行を開始します。

大潮により透明度1m前後という超激濁りのバッドコンディションでしたが、

開始早々に笹銛3号・小佐木銛が岩陰に潜むアイナメを一閃。


ファーストフィッシュはどんな雑魚でも感無量でございます。


その後は海底でホバリング中のウマヅラハギを追加でゲット。

約1時間で笹銛は力尽きてしまいましたが、

なんとか今夜の晩飯の食材は確保することが出来ました。

さて。


波打ち際で魚の下処理を済ませ、クーラーバッグの中に魚を投入した後は、晩飯の支度を始める時間まで、防波堤の上でのんびりとした島時間を過ごす事にします。

思い起こせば1年前、最高の思い出を残した自転車キャンプの2日間において、唯一残念だった『ラガービール不在の夜@のどごし生で代用』の件ですが、自転車移動ほどシビアに積載重量を気にしなくて良いのがカヤックツーリングの良いところ。

今年は数日前より酒屋で調達。家を出る前からギンギンに冷やして、氷と共にクーラーバッグの中でスタンバっております。

嗚呼・・・、海辺で過ごす、最高の暇時間。

一人ぼっちの自分時間。

全てのスケジュールを、思うままに。

ツクツクボウシの鳴き声をBGMに本を読み。

目の前を川のように流れる潮流を見ては明日の航行を憂う。

このままラガーとクラッツがあればハッピーな夜が迎えられそうな気がしたけれど、少し早めに睡魔が迎えに来たため、夕暮れ時が迫る前に料理に取り掛かることに。

季節的に期待はしていなかったが、ウマヅラハギの肝は色・大きさ共に十分食用に値する状態だったので、半分は刺身用に山葵醤油で溶き、半分はカサゴと共に鍋の中へ。

さぁ、海を見ながらいただきましょう!


今夜の小佐木御膳。


まずはウマヅラハギの刺し身@肝醤油和え。


「まいうーーーーーー!」


家で食べるよりも、美味しさが5倍増しになる不思議を実感。


その他、アイナメのカルパッチョも、メバルとカサゴの煮付けも、味噌ベースの鍋の中にダイブしたカサゴとウマヅラの肝も、みんな満点。


島での計画を練り、島に自力で渡り、島で銛を作り、島で魚を獲り、島で料理をして、島で食べる。


どの一つが欠けても得られない自己満足。

うん。


去年が最高なら、間違いなく今年も最高。


日没後、食事の後片付けを済ませてからは、パンツ一丁で桟橋へ。

ipodで音楽をかけ、緩やかな潮風に吹かれながら、外灯に照らされた海をぼんやりと眺める。


昨日までとは明らかに違う時間感覚。


あれ?


そういえば今日、雨降らなかったなー?


と、ふと思い、


もしかしたら、、、


明日も、、、


と、淡い期待を胸に抱きつつ、スマホで明日の予報を確認してみると、


うん。


明日はしっかり降る予報。


まぁ、いいや。


雷さえ落ちなければ、どうにでもなる。


それに今ここでどれだけ考えたって、天気は変わんないしね。


今日降らなかっただけラッキーってことで。


いや、そんな事よりもさ、


今夜はginがうめーなー。。。




つづく