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ライブハウスの最後尾より

邦楽ロックをライブハウスの最後尾から見つめていきます。個人的な創作物の発表も行っていきます。

どうも( ^_^)/

 

モンダミンのカップを落としそうになるところが完全に解釈一致していた者です。

 

こちらの楽曲とMVの話をします。

 

 

 

 

意外と、といったら失礼になりそうですが、このバンドのMVはショートフィルムだったりロケーションやシルエットにこだわった演奏シーンだったり、かなりアーティスティックな内容なものが多かった印象あります。

 

 

それが今回は、完全にドキュメンタリーに寄せてきたなと感じました。

 

メンバー全員のガチな自宅にカメラを置いて、寝転がってたりゲームしてたりコーヒー作ってたりタバコ吸ってたり。そしてモンダミンはこぼす。動きがあまりに篠さんで愛おしいです。

 

最初にパッとMVを聴いたときにツイッターでこんなことを投稿しました。

 

 

 

二度寝から起きたような心地よさと焦燥が声と音から同時に届いてきました。アルバム、世界に遅刻し続けているすべての人に聴いてほしいです。

 

 

≪二度寝から覚めたときのよう≫と、我ながらいいことを書いたなと思います。

 

寝坊と遅刻の温床なので本当ははばかられることですが、寝具から出たくないということはそれだけ身体が布団類に馴染んでいる、体温と外気温のバランスが良い証拠です。

 

たとえば不眠症だと頭がカーッとさえるばかりで寝られた気がしないし、また感覚として布団が寒すぎたり、逆にとんでもない量の寝汗をかいてしまったりする。

 

音楽的にいうならアルファ波優位とでもいうのでしょうか。

 

そんな心地よさを楽曲、音色、メロディから感じました。

 

 

近況報告としての意味合いもあるかもしれません。

 

昨年からそれでも世界が続くならはアルバム制作と新レーベル設立のためのクラウドファンディングを行っていました(今回のMVもその一環)。

 

つまりバンド活動資金が足りなくなる危機的状況に陥っていたわけです。

 

果たして生活は大丈夫なんだろうかと気をもんでいたファンたちに「ぼくらは元気です。寝てます。食べてます。猫も」というのを見せたかったのではないかと、勝手に思っています。

 

 

歌詞はいつも通りというか、境界線上のちょうど真上に立っている、彼岸と此岸(しがん)のこちらでも向こう側でもない場所、人生の土俵際1㎜未満の場所から『音楽は人を救わないし、僕も歳を取ったけど、生きて行かなきゃね』という言葉を送ってくれます。

 

 

しかし今回は叫びません。より切々というか、聴くこちらがもう一歩踏み込める余地というか余裕を感じさせる歌声です。

 

 

だから、じゃないですが、今回はいつにも増して心地よく、公開されてから一日三回ずつくらい観て聴いています。

 

 

これは素晴らしいアルバムが届きそうです。

 

 

その日まで、たぶん200回くらいは聴けそうです。

 

 

みなさんも聴いてみてください。

 

 

 

 

 

 

どうも( ^_^)/

 

W杯でただでさえ夜型になりつつある生活リズムが崩れるかと思ったら、むしろいい時間に眠たくなって改善した者です。

 

午前四時、テレビまたはアベマの前で待機する時間

 

 

 

 

 

ふとYOUTUBEがこの曲をレコメンドしてきてきました。

 

大げさじゃなく500回くらいは聴いています。ですがRerecordingといわれれば改めて聴かざるをえません。

 

そうして、手元にある『Jupiter』に収録されたバージョンと聴き比べてみたらめちゃめちゃ楽しかったで、ただそれだけの感想を書いていくこととします。

 

 

まず、新しいバージョンはサウンドがスッキリと整えられ、輪郭がくっきりしています。前のがすりガラスでこちらはショーウィンドウといった趣き。

 

それに比べると、20年前に収録されたバージョンは音像がもやっとしてます。

 

当時の録音環境や機材の限界もあるでしょう。

 

そこは差し引いても、やはり演奏技術という点で『鳴らす/鳴らさない』の意志がまだ弱いことはいなめない。当時二十歳くらいのバンドマンにそれを求めるのは酷です。

 

またそんな技の巧拙など気にならないくらい、『FLAME VEIN』から『Jupiter』までのアルバムには10代から20代前半のバンドらしい抑えどころをしらないマグマのような熱があります。

 

『ユグドラシル』からはそのあたりが少し変わってきた、というより、変わらなければならないという悲壮にも似た意志が感じられるのですが、それはまた次の記事で書きます。

 

 

話を戻して、旧版のメラメラと燃えグラグラと煮え湧きたつ音が群をなして襲い掛かってくるような百姓一揆のごとき若さはなりをひそめ、新版はさながら頭からつま先までピシッと隊列を整えた軍隊の行進です。

 

しっかり集中して楽器を鳴らしつつ全員がバンドアンサンブルを俯瞰できる余裕が感じられます。

 

 

そして、本当に前の楽譜をそのまま今になって演奏しているのがとても面白い。

 

昔のバンプはだいたいそうですが、どこかバンドアレンジがトゥマッチというか、ひとつひとつの曲がかなりデカ盛りです。

 

もうちょっとシンプルにやってもいいんじゃないかと思うところも、そのまま演っている。それを実現するためにかつての自分たちを深くアナライズした跡が随所に感じられます。

 

今回改めて昔の版を聴いて分かったのが、やりたいことに対してやはり少々技術が追いついていない部分があって、“天体観測”で描きたかった物語というのはもっと静かなものだったのではないかということでした。

 

俺の勝手な想像ですが。

 

イントロの流星群のようなフレーズが、冷たく冴えた夜空へ降り注ぐような音になって響いてきた瞬間、そう思わずにはいられなかったのです。

 

 

歌声は太く、ギターは柔らかく、ベースは鋭く、ドラムはしなやかに軽やかになりました。

 

 

が、ひとつひとつの音にかける情熱は何一つ変わっていないことを再確認できる演奏でした。

 

 

 

 

 

どうも( ^_^)/

 

リアタイ・録画・ネトフリ・ニコニコ・アマプラでそれぞれ五回観たので感想を書きたくなった者です。

 

最近は特に多くの作品を一気に観るより一本をじっくり見る方にシフトしている気がします。

 

 

まず、放送終了直後にこうツイートしました。

 

 

 

 

エロいしか言ってないのでちゃんと観てみましょう。ではちょくちょく止めながら。

 

 

冒頭~00:40 夢

 

路地裏を進むデンジの夢です。

 

しばらく進んで自分の意志で左に曲がり扉に手をかけようとする。行き当たりばったりではなく能動的に自発的に道を選んでいるかのように見えますが、扉を開ける前に目が覚めてしまう。

 

~00:56 二人の家

 

「仕事行くか」「ワン!」まであばら家の背景と環境音だけ、ここにはデンジとポチタ以外に誰もいないことが十数秒で理解できます。

 

何一つ清潔なものがない二人の“家”に浮かぶ埃が朝日に照らされてキラキラと光るのがいいです。匂いまで感じられそうなほど汚くて綺麗です。

 

 

~01:11 人の道 獣の道

 

こんなペースで書いてたら終わらないぞと俺の中のMAPPAの悪魔が囁きますが無視します。

 

けもの道から公道へ出ていく、執拗なまでにデンジが人の道から外れた“仕事”をしていることを示していきます。

 

 

~01:20 ぐんにゃり①

 

道を歩くデンジ、野山にぐるっと囲まれた街を見下ろし閉塞感を演出しているようです。

 

そして個人的に気になるのが、ぐんにゃりと曲がった道です。Bパートにも出てくるワインディングロード、何かを暗喩しているように思えてならないです。

 

 

~01:49 デンジとポチタ

 

ここまできてようやくポチタの全容が判明し「なんだコイツ!?」となる寸法です。

 

抑揚のない声で臓器売買と法外な借金のことを話すデンジの演技もいい感じです。

 

 

~02:14 完熟悪魔

 

トマトの悪魔登場。使い捨ての敵キャラとは思えない皺の書き込みがえげつない、複眼のひとつひとつにヘタがまつ毛みたいについているのがちょっと可愛いです。

 

 

アバンタイトル終了です。ちょっと休憩、OP映像については別途語る機会を設けましょう。

 

 

 

OP~04:20 自社提供のアニメに中抜き無し

 

「借金と利子~」のセリフごとに少しずつ変化するデンジの表情、大きく変わらないのに胸にじんわり失望と絶望が広がっているのがよく分かりますね。かわいそうで良いですね。

 

 

~04:45 ぐんにゃり②

 

色味の寒い住宅地を歩く二人、五回目でようやく気付きましたがこの道もちょいグンニャリです。このアニメに真っ直ぐな道は出てこないんでしょうか。

 

そしてようやくデンジと組長いがいの人間がモブで数人出歩いていますが、明らかに変な造形のイヌを連れている少年に誰も関心を払いません。

 

 

~06:06 喫煙が規制されるなら食わせりゃいいじゃない

 

デビルハンターなる仕事とデンジのキャラを説明してくれる組長と、百円くれる舎弟、こいつら実は良い奴なのではないでしょうか(頭デンジ未満)。あとヤー車のナンバープレートが『82(ヤニ)306』でした。

 

従順ではある、アホでもある、しかし煙草を飲み込んだフリをする程度の小賢しさはある。決して自分の状況を唯々諾々と受け容れているだけではないようです。

 

 

~07:20 食パンはおいしいけどすぐカビる

 

雨が二人の出逢った過去を連れてくるシーン。パンを食べるポチタの“そしゃく音”がとてもかわいいです。

 

幼いデンジを見下ろす場面、車が上手の上から上手の下へと曲線の轍(わだち)を描いて去って行くのですが、どこか境界を引いているように見えました。画面の右半分は人間の世界で、もう半分は悪魔の世界、とでもいいたげです。もしくは生と死でしょうか。

 

 

~08:40 

 

幼少期のデンジの声は今よりも何となく賢そうに聴こえます。まともな過程で育ったらどうなっていたのかと思わせます。

 

デンジとポチタ、最初の契約シーンです。『平家物語』でも見事な仕事ぶりだった牛尾憲輔さんの浮遊感とある種の朴訥さがハイブリッドした音楽が素晴らしい。そして、雨は止む。

 

 

~10:02 最初の仕事から最後の仕事へ

 

道具として使われる虚無顔ポチタもデンジの腹の上に乗ってくるポチタも大変よろしいです。

 

遺伝性の疾患で短命であるらしいデンジが語る夢は、下世話で俗っぽいくせにいやに切実で悲しい。

 

 

~10:34 グルンとグンニャリ③

 

ようやく真っ直ぐな道かと思ったら、カメラごとグルンと180度回してきました。本当に道を真っ直ぐ描く気はないようです。

 

次のシーンで山道の曲がり角は三つ、テストに出てきそうだから覚えておくとしましょう。

 

 

~11:19 そりゃ風呂も入ってないなら臭い

 

月は隠れ、赤い非常灯が照らされる。それ以上行ってはいけないということです。暗い廃工場の様子は原作者も好きな二瓶勉漫画のようです

 

 

~12:25 ゾンビは臭くて嫌ぇだ

 

ゾンビの悪魔と契約したヤクザたちを勘違いさせたのはデンジとポチタの契約があまりにも牧歌的だったからでしょうか。

 

悪魔の声は名バイプレーヤーの宮田さん、悪ガキみたいな邪悪さが声から匂い立ってきます。

 

 

~13:50 ゾンビは歩くもの

 

ただしチェンソーマン世界のゾンビは武器を持つようです。攻撃力が高いですね。

 

デンジの断末魔は刺された痛みというより利用されるだけ利用されて終わっていく人生への悔恨、悲しみと怒りの成分を強く感じました。

 

 

~14:24 悪魔との契約にクーリングオフなし

 

雲に隠れていた月が再び顔を出し、おまけに月虹が見えています。物語が転調しました。

 

『無料お試し』のチケットを経て流れていくデンジの血を、ポチタが飲み込む。タダより高いものはないとも言います。

 

一社提供だからバラバラ死体も平気で出せる。でもそんなにグロくは感じませんでした。人によるとは思いますが。

 

 

~15:40 木こりのデンジ

 

再び幻想と土着が完璧なバランスで整えられた牛尾音楽がいい仕事をしています。

 

デンジとポチタの契約、というか、約束のシーンです。Aパートは寒色で閉塞感ばかりだった街を見下ろす情景が明るく照らされていて、開けた印象を与えます。もちっとまるっとしたポチタを抱っこしてみたいですね。

 

 

~16:00 二人はひとつに

 

この20秒足らずのシークエンスがとても好きです。音楽と、なまめかしく繋がっていくデンジの身体の調和が素晴らしいし、ポチタが脈動しつつ融合していくさまはエログロっぽくもそうはまったく感じさせません。

 

 

~16:48 新たな契約

 

幼くも理知的なポチタの声、淡々としつつデンジへの情愛を感じさせる見事な演技です。

 

しっぽだった部分がデンジの胸から突き出ているということは、つまりポチタは実は頭からデンジに突っ込んでいきました?

 

 

~17:50 もっと欲しい、もっともっと欲しい

 

最初の敵がゾンビの悪魔だったのは示唆的です。ゾンビ映画のパイオニアであるジョージ・A・ロメロ的なかつれた欲への自省と受容、望み出したらキリがなく、ヤクザはゾンビに、デンジはチェンソーマンになりました。

 

 

~19:00 チェンソーマン誕生

 

ゾンビの悪魔の「仲間だな」のなんと浅慮なセリフです。たった一言で敵の株を最安値に落としておいて獣のようにとびかかる。初撃で目を狙ったのは生前のデンジが片目で不自由していた=目を潰せば有利になるという彼なりの計算でしょうか。Aパートで見たように頭は決して悪くないのだと思います。学がなくバカなだけで。

 

 

~20:00 プロレスラーのような戦い

 

中途半端なところで止めてしまいましたがここで語っておきたい、デンジの不格好な戦い方です。

 

初陣ゆえに相手の攻撃はどんどん受けるし、チェンソーを振り回す慣性にも慣れていないから攻めはもったりと鈍重ですらあります。アニメ映えするソードアクションとは一味違ったものをお見せしてくれそうです。

 

 

~20:25 チェンソーを人に向けて使ってはいけません

 

ここは是非ヘッドホンで聞いてほしい場面です。音がとにかく怖い。戦いに美学も華麗さもいらない、破壊だけを目的にした暴力的な音が聴けます。

 

 

~21:00 そこに気付くのはかしこい

 

一見、狂気に憑りつかれたようなジェノサイドシーンですが、同時にデンジの善性を垣間見ることもできます。

 

「俺ァデビルハンターだからゾンビは皆殺しにしなきゃあなぁ」→「そういえばこいつら殺せば借金チャラにできんじゃん!」の順番で物を考える。ポチタを使って人間だった頃のヤクザを殺そうなんて思いもしなかったのかもしれません。

 

 

~21:40 外はバケツ一杯の水、中は血の海

 

朝になった背景が三カット、これは視聴者の気を抜くためのものでしょうか。アニメではあんまり観ませんが実写映画ではよくあります。贅沢な画面の使い方してます。

 

 

~22:18 マキマはまっすぐ歩いてくる

 

ゾンビが折り重なっているはずの工場内をまっすぐ歩いてデンジに近付いてくるマキマ、どこか詩的な雰囲気もあるシーンです。

 

マキマの声、無機質な少女といった装いです。デンジもそうですが、完全にキャラに合わせるというよりはどこかに違和感を持たせるようなディレクションをしていそうな雰囲気です。

 

 

~23:53 愛知県民はパンにあんこを塗ります

 

「女を抱く」という言葉の意味は分かっているでしょうが、なんだかデンジからは性的な色をあまり感じません。セックスがしたいのはもちろんとはいえ、それ以上というかそれ以前のものを欲しがっている感じがしてなりません。

 

犬と同化したら犬になったデンジの明日はどっちだ、といったところで1話終了です。ここまで観るのに3時間かかりました。

 

 

 

チェンソーの唸るエンジン音が気持ちいいです。