どうも( ^_^)/
記事タイトルにflumpoolという文字が
三回も出てくることに今気づいた者です。
しつこいくらいが、ちょうどいい。
What's flumpool !?
01.Calling
AメロBメロの歌詞は不安と迷いを感じさせます。
それを振り切るハイファイなブラスサウンド。
大胆にフィーチャーしたサビが特徴です。
泣き顔のまま Calling×2
クシャクシャに乱れるなら
二人じゃなきゃもうダメだと その胸に刻んで
でも、サビでもやっぱり泣いてます。
このめんどくささこそが、
作詞家・山村隆太の真骨頂。
02.星に願いを
ダンサブルでドラマチックなポップソング。
疾走感のある曲調と、
疾走する歌詞との相乗効果が抜群です。
≪行かなくちゃ≫とか、≪逢いたくて≫とか、
リフレイン(繰り返し)したくなる歌詞を、敢えて一回に。
日本語らしい余韻がありますね。
で、大サビでは、
逢いたくて 逢いたくて いま逢いたくて
三回(`・ω・´)!! 大事なことなので、的な。
03.見つめていたい
穏やかなラブソング。
しかし、歌詞のモチーフにポリスの
“Every breath you take(邦題:見つめていたい)”を使ったため、
どことなく不穏なものを感じます(ポリスの方は監視社会について歌っている)。
(^ω^;)……いや。
「実はストーカーの歌です」とか、
「主人公は死んでます」とか、
そんなこたぁないでしょう。
微笑(わら)ったり 泣き出したり すべての思い出に
君がいる それだけで涙が出るよ
「君が思い出にいるだけで」ってのがグッとさせます。
……やっぱりどっちか死んでるんじゃあないか(やめろ)。
04.MW~Dear Mr. & Ms. ピカレスク~
やりすぎなくらいに静から動を行き来して、
凄まじいダイナミクスを感じるクールな名曲。
イントロ一発でドでかいリフを聴かせてから、
アコースティックギターとボーカルだけになるAメロ。
バンド全体でクレッシェンドしながら、
切れのいい縦ノリになるサビに突っ込んでいくのは見事。
ブリッジ、間奏、落ちサビから大サビまでも、
嵐のように展開が大波小波凪大波を繰り返す。
さらに大サビでは「まだ行くぞ」とばかりにもうひと盛り上がり。
いやぁ、なんともはや若い楽曲ですよ。
でも、ライブになるとさらに過剰に燃え上がるんですねぇ。
05.僕は偶然を待っているらしい
変拍子や裏拍を駆使してエッジを立たせながら、
曲全体と歌詞はなかなかがむしゃらな印象を残す曲です。
のちに“Because I am...”で
「ちょっとどうした?」
と思うような吹っ切れ方をする隆太さんの心情が漏れています。
06.回転木馬(メリーゴーランド)
とにかくデカ盛りなアルバムで、
リード曲にシングルを三曲ぶち込んだ
激重な序盤に、ようやく訪れる休憩ゾーンです。
ライブでもタオルを振り回して
陽気に盛り上がるエイトビートなパーティチューン
では、あるんですが、
あと何度君と踊れるだろう?
幻じゃないように
幻だとしても
こういう不穏なフックを
入れないと気が済まないデビュー当初のflumpoolです。
07.車窓
flumpoolの原点であるアコースティックな失恋ソング。
……失恋ソングまで含めて原点なんだろうか。
インディーズ時代はよく知らないのですが、
恐らくそうではないかと推察しています(´◉◞౪◟◉)
なにしろ、
ちょっと拗らせたラブソングを書かせたら、
山村隆太は相当な位置にいる作詞家ですからね。
思い知る まだ消し去れない
やさしさに恐れ抱いた
愚かな日を
aikoの詞だと言われても信じられます。
08.Hills
現状を超えるための概念として丘と、
非人間的な世相を皮肉る対象としてヒルズ。
今はヒルズなんて流行りませんが、
アルバム発表時は2010年ですからね。
額に汗した禄を他人がバラまく 浮世の奇跡
ひたすら耐える時代の美徳 ひけらかすためだけの美学
隆太さんは基本的に
「最大公約数に届く言葉」
を信条にしていると思いますが、
こういうところでインテリジェンスが見えます。
09.夏Dive
サビになると踊らなきゃいけない気になりますね。
ホーンとピアノがフィーチャーされていますが、
なにげにドラムが結構忙しそうな楽曲です。
歌詞がシングルの相方だった“MW”と
対比できるようにしてあるのが本当に律義です。
曝け出し方にもいろいろあって、
実はこっちもかなり危ない愛の歌だと思います。
10.LOVE 2010
flumpoolがミスチルみたいにビートルズのフォロワーで、
最初の売り出し方からして強く意識されていたことは分かります。
そこでお出しされたこの曲が、60年代ロックンロールなラブソング。
起伏の多いメロディのAメロから、
コーラスを利かせた雄大なサビへの進行もそれっぽいです。
あれから十年。
日本の新時代ビートルズはどこに辿り着いたのか。
11.Quille
“labo”のようにエロティシズム溢れる歌詞。
曲調も軽快で、ただ音の良さに身を委ねられます。
ここからアルバムは終盤戦。
普通だったらもう終わっているところですが。
これこそがこの頃のflumpoolの狂気。その真骨頂です。
12.最後のページ
ノスタルジックセクションのような後半が始まり。
この構成は狙ったものか、結果的にそうなったのか。
分かりませんが、“フレイム”に繋げる良い曲順です。
さて、この曲はイントロの掴みが素晴らしい。
何気なく聴こうとした人の耳をガッチリと惹きます。
13.今年の桜
“花になれ”はflumpool生涯の仮想敵です。
この話は折に触れてし続けてきたので繰り返しませんが、
この曲には「振り切ってやろう」という感情が見え隠れします。
思えばなかなかすごいタイトルですよね、命令形ですよ。
「桜のようになりたい」ではなく「ならなければ」で続ける活動。
プレッシャーは大きかったと思います。
でも今もバンドは続いているんです。良かった。
14.タイムカプセル
一生さんのボーカルは今では疑う余地のないところですが、
当時この曲を聴いたときは「緊張してるなぁ」と思ったものです。
メロディを丁寧に追って、それでいっぱいいっぱいな感じです。
そんな初々しさも、曲の性格によく合っています。
flumpoolは全員既婚者ですが、
持った家族の倍以上の時を共に過ごす
バンドメンバーであり幼馴染がいるって、奇跡です。
15.サイレン
皮肉なもんだな 求めているのは 君の笑顔だけなのに
それが一番観れなくて
妄想が過ぎると思った一曲です。
“僕の存在”で行くところまで行った一歩手前の曲。
しかし妄想の純度はこちらが上な気がします。
いいえ、批判しているわけじゃないです。もっとやれと思う。
16.フレイム
最初聴いたとき「やりやがった!」と思いました。
まさしくビートルズの“ヘイジュード”だったからです。
いやはや、ここまで隠さずリスペクトされるといっそ清々しい。
作りながら気付いたのか。
アレンジしながら「これ、ジュードれるな」と思ったか。
いずれにせよ、このラストのアンセムで、
flumpoolの成功と狂気はここに成ったのです。
ここから始まるのは、
さらに過酷な成功への道。
なにしろ、
アルバムツアー直後にポリープの手術です。
どんなに練習しても、声は変わってしまうわけで、
もう、このアルバムの声で歌うことは無いわけです。
その話は、また今度。
これを書いている間中も、
“フレイム”の半分を占めている
長大なアウトロコーラスがずっと響き続けています。