1人/30の日記~それでも世界が続くなら「僕らの鑪ら場を守れ」 名古屋 鑪ら場 | ライブハウスの最後尾より

ライブハウスの最後尾より

邦楽ロックをライブハウスの最後尾から見つめていきます。個人的な創作物の発表も行っていきます。

どうも( ^_^)/

 

漫然と地下鉄に乗っていたら、

目的地を通り過ぎかけた者です。

 

名古屋市営地下鉄桜通線、

吹上駅より徒歩約五分の場所に、

小さなライブ場、『鑪(たた)ら場(ば)』はあります。

 

今日3月21日のライブが

キャンセルになったことに伴い、

急遽、それでも世界が続くならが、

30人限定の無料アコースティックライブを

行うというので、神速で予約し、行ってきました。

 

30人とはいえ、全員着席したら、結構ぎゅうぎゅうです。

俺は二階のステージ向かって右側で正座待機。

で、案の開演直前に足が痺れちゃって、あぐら観覧です。

 

やってきた四人の一曲目は“チルの街”。

駆けつけ一杯目で≪さよならまた明日≫です。

 

さすがのひねくれ具合を見せて、

二曲目は“スローダウン”。

 

≪死ぬよりもつらいこと≫が

思ったよりたくさんある世界が、

今はひたすら死に怯えてパニクっています。

どこか、冷静に聴いている自分がいました。

 

続く、淡々としたリズムを刻む“弱者の行進”は、

素朴に美しく、アコースティックな夜に映えます。

 

 

 

“水色の反撃”は激しい曲という印象がありましたが、

これもまた、新たな一面が見えました。

しかし、語られるメッセージの強度は揺るぎません。

 

日常が続く絶望を、

≪明日も生きて 明後日も生きるだろう≫

と、表面上は希望があるかのような

言葉にしたためた“パンの耳”は、

歌詞がより耳の近くに届いた感覚がありました。

 

“死にたいって言えばそれだけで”が終わると、

今日一回目のMCです。

 

「贔屓だとしても、鑪ら場に無くなってほしくなかった」

「世界中が不安になっているけど、そんなに怖がらなくていい」

「昨日は鑪ら場で雑魚寝して泊まってた」

 

そして、「歌の調子が悪いから」と、

コーラスのカレンさんに業務連絡をしてから、

“地獄に落ちろ”を絶唱。

 

最初は、それほど調子が悪そうに見えませんでしたが、

なるほど、多少高音が掠れていて、

いつもよりシャウトが少なかったです。

 

とはいえ、アコースティックだし、

クリアに歌い続けるのもアリだなとは思いました。

 

“自殺志願者とプラットホーム”で、

≪トイレに行きたいときはちゃんと言いなよ≫

って歌ってくれたので、

MCの合間に行くことができました。ありがとう(笑)

 

ここで、それでも世界が続くならの

キラーチューンともいえる曲を連発です。

 

“シーソーと消えない歌”

 

 

 

“イツカの戦争”

 

 

 

 

本人は、「自信がない」

と、おっしゃっていましたが、

この曲たちの力っていうのは、

掛け値なしに

素晴らしいものがあると思います。

 

で、ここでトラブル。

 

ブラシのドラムスティックが折れました。

 

直している間に、MC。

 

カレンさんが加入するまでの

心境をポツリポツリと語ってくれました。

 

「傷つけた奴がのうのうと生きてて、

傷つけられた奴が泣いていることに怒っていた」

「音楽がないと生きられないんだけど、

どこか、自己表現に逃げていた」

「辛いときに聞かせられるような、

ここにいる30人くらいは幸せにできるような

ミュージシャンになりたい」

「今はまだ自信がないけど、いつかはなるから」

 

お客さんの一人から、

「自分がいじめられて反撃したときのことを思い出せた」

と言ってくれたと語っていた

“晴れた日の教室”。

 

ちょっと曲名が分からなった

三拍子の曲。

≪これがもしもあの子のことだったら≫から始まり、

どこかで大事な物を線引きしてしまう自分への、

戒めのような歌でした。

 

ポップなようで、

前に進むために踏み出した足で、

自分のことを踏み潰していたと歌う

“誰も知らない”。

 

最後ですと言いながら“テセウスの夜”

が始まりましたが、

我々が不用意にアンコールなぞ

求めてしまったがために、

無鉄砲ミュージシャン篠塚将行の

スイッチを入れてしまったようです。

 

アンコールで、なんと七曲(!)

 

ミスチルでも六曲でセーブするのに(それでも多いわ)。

 

何にも決めていないから、

篠さんが歌い始めてから、

メンバーが演奏を始める、

驚愕のアドリブライブスタイルだと告白し、

衝撃の事実を知ったあとで、七曲です。

 

本編を離れた

フリーダムな延長戦なので、

細かいことは書きませんが、

まぁとにかく、

人間の限界の先を見た気がしました。

 

きっと、

今日来ていた

30人分の心の日記に、

しかと刻まれたことでしょう。

 

そういえば、

俺は今日、

家にあったマスクを持って行ったのです。

 

 

なんというか、

「余計なお世話」と「持って行きたい気持ち」

が揺れ動くところがありました。

 

しておられないお客さんが一人いらっしゃって、

一枚差し上げることができて、良かったです。

 

~セットリスト

01.チルの街

02.スローダウン

03.弱者の行進

04.水色の反撃

05.パンの耳

06.死にたいって言えばそれだけで

07.地獄に落ちろ

08.自殺志願者とプラットホーム

09.シーソーと消えない歌

10.イツカの戦争

11.晴れた日の教室

12.曲名不詳(どなたかコメントで教えてください(=゚ω゚)ノ)猫とクオリア

13.誰も知らない

14.テセウスの夜

アンコール

En01.SNSとオーバードーズ

En02.参加賞

En03.響かない部屋

En04.死なない僕への手紙

En05.奇跡

En06.9月1日

En07.成長痛