淡水魚とは会話できない?~ジェームズ・ワン/アクアマン | ライブハウスの最後尾より

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どうも( ^_^)/

 

 

刺身を敢えてしゃぶしゃぶにする者です。

 

 

オデッセイ』の原作『火星の人』で、主人公のマーク・ワトニーが、旧いアクアマンのアニメを観て「魚を操るアーサーに、クジラやシャチが従ってるのはおかしい」とツッコミを入れます。それを気にしたのかどうかは分かりませんが(多分気にしてない)、今作でアクアマンは『海にいる生物を味方につける』ヒーローだと宣伝されていました。

 

 

捕鯨国であり、イルカ漁も行う我らが日本国では、鯨肉も古くは“魚肉”としてきた歴史があるそうです。俺は食べたことがありませんが、刺身にもできるらしい。

 

 

刺身で思い出したのですが、淡水魚の刺身はあまり見ません。きちんと管理・処理すれば生でも食べられるし、実際そうしているのですが、天然ものを生で食べる国では寄生虫の問題が出てきているというニュースも観ました

 

 

あと少し驚いたのは、有名なアニサキスという寄生虫は海水魚にしかいないということ。最終宿主がクジラやイルカなので、ひょっとしてアクアマンは魚ではなくて海水魚特有の寄生虫か細菌から発せられる声を受け取っているのかもしれません。

 

 

まったくもって夢も希望も削り取るような話をしたところで、本編を観ていきます。

 

 

とはいえ、あんまり書くことがありません。あらすじは簡素もいいところで、海底に沈んだ超古代文明都市アトランティス王の末裔でアトランティス人と地上人の混血であるアーサー=アクアマンが、地上人類を滅ぼそうと目論む異母兄弟オームを倒すべく、伝説の三叉矛トライデントを見つけ出し、七つの海を統べる真の王となる。という、これだけです。何一つ付け足すことはありません。

 

 

途中、オームとの負けイベントとか中ボスブラックマンタとの対決とかヒロインである王女メラとのロマンスとか生き別れになった家族の再生なんかが、あまりにもクラシカルにテンプレートのように挿入されるのですが、基本的にアクション&アクションです。

 

 

また、この映画を評したこんなツイートがあります。

 

 

アクアマン、少しでも話の速度が落ちるとすかさず画面のどこかしらを爆発させて無理矢理展開を進めるというメチャクチャな力技の手法を使っていて死ぬほど笑い転げて肋骨が折れた

「アクアマン」全てが高レベルに面白い頭がおかしい傑作なんだけど、話が落ち着くと思ったら爆発→アクションへといった流れが繰り返されたり「大西洋のどこか」「インド洋のどこか」みたいなスーパー雑な説明も相まってなんとも言えないすっとぼけた味もある。楽しい。

アクアマン:登場人物たちが30秒以上止まって立ち話してるとどこかで何かが爆発する展開が何度かあって3回目くらいで声だして笑った

 

 

なにしろ監督のジェームズ・ワンは、アクアマンとは真逆の露悪的なシチュエーションスリラーの傑作『ソウシリーズ』の生みの親で、驚異的なマンネリズムで同じような内容を六回も繰り返した後、ビッグバジェットの『ワイルドスピード』を卒なく撮った天才です。

 

 

「こういうのでいいんだよ」という監督のしてやったりな声が聞こえてくるようです。

 

 

アクアマンがオームに決闘で敗北しかける。

メラが善玉にあるまじき横紙破りでアーサーを救い、不意打ちを受けたオームが死にかける。

サメや巨大なタツノオトシゴもふくめた水中カーチェイス開幕。

謎の超技術ハイドロキャノンでアーサー・メラの乗ったポッドが撃ち落とされる。

親切なザトウクジラに助けられる。

 

 

この一連の流れでほぼ10分です。息つく暇もなさ過ぎでしょう。あと、ザトウじゃなくてナガスだったかもしれません。細かいことを忘れるくらいギュッと詰まってます。

 

 

ネタバレになりますが、怪獣バトルも始まりますからね。なにを言っているのか俺もよく分かりません。

 

 

元々、超文明の王子であるとか異母兄弟対決といった要素から競合他社の『マイティ・ソー』を連想していて、そういう要素も無きにしもあらずといったところだったんですが、より強く思い出されたのは『スターウォーズEP1』でした。

 

 

あの映画も、アクション映画としての楽しみがてんこ盛りの贅沢な作品でした。俺の中では未だにスターウォーズ史上最高傑作で、もう十回以上観ていますが、また観てみたくなりました。

 

 

『アクアマン』も、そういった作品の一つになるポテンシャルがあります。爽快な映画です。