家の窓をすべて開けて寝ている者です。
十代の宇多田ヒカルさんは、完全に人生二周目的な風格があって、そのイメージの多くは歌声によってもたらされていたと思います。
針が落ちただけで涙が零れ落ちてしまいそうな、繊細で悲しいブルースなボーカルが歌うのは、Distanceを縮めて、抱き締めて、見つめて、人と人の間にある確かな空白を慈しむような歌詞です。
傍にいたいと思う心を、Distanceが作った諦観の海に沈めてしまわぬように、泳ぎ切れるようにと願う悲痛な祈りは、≪I need to be with you≫という儚げな一行によって締めくくられます。この余白の残し方も、音楽家として超人的です。
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