欧米の、ソローっと走る貨物列車が好きな者です。
日本のは走り方が暴力的過ぎる。よく人死にが出ないなと思います。いや、出てるか。
今はほぼ毎日電車に乗る生活リズムで、大幅な遅延が発生するJRを主に使っているので人身事故のニュースにもよく接するわけですが、停車駅であってもあの速度は確かに死ねるなと思う次第です。
誰かの死を前に、スケジュールの遅延や足止めに憤るということはなく、むしろ常に持ち歩いている本をゆっくり読む時間ができたと思って心静かに、遺体の処理が終わるのを待ちます。
そして、申し訳なさそうにのっそりとやってきた列車に乗り込み、知らない誰かの血を浴び染み込ませた線路の上を、何食わぬ顔で走り過ぎていくわけです。
自殺そのものを物理的に食い止めることは、相当難しいし、俺なんかは無法者だから「生きるのが辛くて死にたかったら存分に迷惑をかけてやればいいんだよ」と思っちゃうし言っちゃう人間なのですが、それが困るという人もいるのでしょう。
自殺のガイドラインというのをWHO経由で内閣府が発表しており、そのPDFの一部をリンクしておきます。
カウンセラーのための手引き
その他、メンタルヘルス学会が発表したガイドライン
この中で目を惹くのは、『「人が改善のしるしを示したり自殺企図から生還した時には、彼らの危機は去っている」というのは誤りである。』のところ。
治りかけているときがヤバいということのようです。
特に精神疾患を患っている場合、急に静かになったり、かと思えば騒がしくなったり、身辺整理を始めたり、周囲の人間に脈絡もなく感謝を告げだしたりしたら、黄信号だそうです。
全体的に暗いトーンのアルバムである『世界収束二一一六』で、この“エンディングテーマ”は異彩を放つ明るさです。
アルバムの感想文ではこんな風に書きましたが、『急に晴れやか』に、『周囲の人間に感謝を告げている』歌詞は、実は、かなり自殺者に近いメンタリティーで書かれたのではないかと、今日ふと思いました。
今度からは、ややダウナーなバンドが急に明るいポップソングを出した時に、ちょっと注意深くなってみようと思います。
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