元気にはなるのは誰だ?~BUMP OF CHICKEN『BFLY』 ナゴヤドーム セットリスト有 | ライブハウスの最後尾より

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邦楽ロックをライブハウスの最後尾から見つめていきます。個人的な創作物の発表も行っていきます。

※こちらのブログは、セットリストをすべて明らかにしています。これからヤフオクドームや日産スタジアムに向かわれる方々はセットリスト無の方をお勧めします。



どうも( ^_^)/


心調不良な者です。


無駄に丈夫なので、体調は大体いつでも万全です。ただし、精神の方は藤原基央の細さを指摘できないレベルで貧弱なので、定期的なケアを必要とします。


具体的な症状として、過食・過眠・集中力の低下・ネット依存症気味になると危ないです。そこで、ライブ療法の登場となるわけです。


第一、毎週日曜日は親愛なる自殺志願者たちというけったいなカテゴリで書くことを決めているにも関わらず、いや、バンプだとなったのも、自らの不調を整えるためという手前勝手な理由です。


元気になるのは誰だ?


2016.5/8
BUMP OF CHICKEN
       STADIUM TOUR 2016


BFLY 
             in ナゴヤドーム


壮大なSEとともに、300秒のカウントダウンを終え、BUMP OF CHICKENの四人がステージ脇から歩いて登場。WILLPOLISツアーでの、山崎貴監督による超豪華な映像からの一気呵成な幕開けにやや慣れてしまった身体には、新鮮な気分でした。


このように登場はさり気なくてもパフォーマンスは最初から全開です。一曲目から世界をこじ開けるような太く重いグルーブが響き、“Hello,world!”が始まりました。


高らかに≪僕はここ≫と宣言した直後、横に広がったグルーブを縦に切り裂くようなサウンドとともに“パレード”が開幕しました。


イントロの音やオートチューンをかけたボーカルに耳を囚われがちですが、この曲の妙味は痛いほど鳴る心臓のようなリズムと技巧派なギターのリフにあります。めちゃくちゃカッコいいです。


前後不覚に陥るような気狂いパレードが閉幕すると、それぞれの座席に配布されていた発光リストバンド『PIXMOB(ピクスモブ)』が消え、懐かしい曲“K”が、さながら『ライブハウス・ナゴヤドーム』と化したアリーナとスタンドに鳴らされました。


三曲終えたところでMCです。いつものように、盛り上げ隊長のチャマさんが喋って、たまにメンバーに振って増川さんあたりが慌てふためいて、「みんなで協力し合って、良いライブにしよう」ということを誓い合って、ちょっとまったりしたと思いきや“カルマ”の鋭いギターリフが襲い掛かります。


一人や孤独を意識するのは、いつだって多くの他者の存在を感じるときです。一人分の場所を占拠して、誰かと≪汚れた手と手で触り合って≫、時には≪臆病な爪と牙≫を振りかざして、それでも、悲しくて辛くて楽しくて嬉しい自分を感じさせてくれるのも、いつだって誰かの存在で。


『僕がいることで、君の生きる場所を奪っている』“カルマ”を超え、『君がいることで、僕の命が輝く』と美しく歌い上げる“ファイター”へと繋がっていきました。


まるで今日を祝福するような“宝石になった日”を演奏して、またMC。セットリスト無の方で書いたように、みんなでウェーブをしたあと、藤くんがボソボソっと「昨日は新月だったんだ」と語りながら始まったのは“流星群”。


みんなで光る腕を振って、一緒に歌う。神秘的で分厚い音の流星を体感して、今度はみんなで手拍子の“大我慢大会”です。


ライブも中盤に差し掛かり、四人はアリーナ後方のアコースティックステージ、通称『恥ずかし島』へ。今回のラインナップは“孤独の合唱”と“ダンデライオン”。まさにアコースティックバンドとしてのバンプの面目躍如な演奏でした。


さぁ、後半戦です。前半の開幕と同じく、長いSEが明けると同時に“GO”!≪一生今日が続いて欲しい≫と、まさに気持ちを代弁してくれた直後に、切ない別れをカラッと表現した“車輪の唄”。別れの時は近付いている。


“supernova”の雄大なシンガロングが終わったあと、藤くんがまさにそのことを言及し、いよいよラスト三曲になります。


ここからの流れが本当に素晴らしかった。


升は、じゃなくてまずは“ray”。


次に“虹を待つ人。


最後に“butterfly”。


聴きたかったことを聴きたいままやってくれました。


この三曲に共通しているのは『楽しくて悲しい曲』だということ。“ray”は大切な人との別れを思い返していて“虹を待つ人”は雨に打たれていて、“butterfly”は誰にも聞こえない悲鳴を上げている。


また、それぞれ≪ごまかして笑って≫、≪うまく手は繋げない それでも笑≫って、≪何となく悟り 笑って≫
、平気な振りで何とか生きていくどこにでもいる人々の悲しみを音楽という膜で見事に昇華している名曲たちです。こうしてまとめて聴けて、本当に良かった。


『元気じゃなくてもいいから、また会いましょう』といって、四人は去っていきました。「生きてりゃいろいろある」の“いろいろ”をほんとに徹底的に色濃く音楽にしてきた人たちだから言える言葉です。


さぁ、元気になるのは?



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セットリスト
01.Hello,world!
02.パレード
03.K
04.カルマ
05.ファイター
06.宝石になった日
07.流星群
08.大我慢大会
09.孤独の合唱
10.ダンデライオン
11.GO
12.車輪の唄
13.supernova
14.ray
15.虹を待つ人
16.butterfly
~アンコール
En01.天体観測