実は、敢えて書くことは何もない~amazarashi 世界分岐二〇一六 ※セットリスト有り | ライブハウスの最後尾より

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邦楽ロックをライブハウスの最後尾から見つめていきます。個人的な創作物の発表も行っていきます。

どうも( ^_^)/


雪が降ると分かっていて外には出たくない者です。


積雪による交通機関の麻痺、極寒、止んでも凍結した路面、何より嫌な雪晒し状態で歩く自分。


今日行ってきたのは、amazarashi。こっちは毎日でもいいです。


amazarashi 5th Anniversary Live Tour 2016
世界分岐二〇一六




※セットリストが書いてあります。ご注意ください。



昨年のツアーはLyu:Lyuと被っていたためいけませんでした。


タイポグラフィに映像、それを映す紗幕の向こうで歌う秋田さんやKey.豊川さん(二年前は体調不良でお休み中)、Gt.出羽さんら五人編成のバンドサウンド、二年ぶりがもう随分と遠い昔に感じます。


≪青森から来ました。amazarashiです≫


一杯になったZepp Nagoyaで、世界と折り合え切れないザラつきを宿したような秋田ひろむさんのポエトリーが響き、ライブはスタートしました。


“ビニール傘”が終わると、次は新曲“タクシードライバー”。既発曲である“ビニール傘”からの繋ぎに何の違和感も持ちませんでした。

そして三曲目、“季節は次々死んでいく”に続いて諦めきれない希望と、蹴飛ばしきれない絶望が混ざった“ワンルーム叙事詩”を選んできたことから、どうやらアルバムも『ワンルーム叙事詩』のようなものになるのではないかと予想されます。


このツアーの後にリリースされる3rdアルバムは本人曰くかなり陰鬱なメンタルが反映された、暗い内容だそうです。


失望を声高に叫ぶのは、その実、必死に希望の鉱脈を見つけようともがいているからです。

amazarashiの曲はいつだってそう。どれだけの絶望を重ねても、“今”、“ここで”生きている“自分”という圧倒的な現状が、諦めきることを許さない。そんなもの別に要らないのに、生きる力をどうしようもなく寄越してくる。


以前にもまして重く太くなったバンドアンサンブルに、支離滅裂な暴発の二歩手前で紡がれる手垢のついていない歌詞が、感情的に叫ばれていくのを、ただ直立不動で聴き続ける2000人。


なかなかに、凄まじい光景が広がっていたと思います。


“性善説”から“ラブソング”まで、ライブ中盤を彩った名曲たちが終わり、“スピードと摩擦”から、再び新曲たちを含めた破滅的で希望に溢れた楽曲を披露していきました。


いつかは必ず終わる自らの人生の“エンディングテーマ”を作ってしまったり『自分以外はみんな死ね』と、遠まわしな自殺願望を“しらふ”な詩に乗せたり、忘れたくて忘れたくない“美しき思い出”を開陳してみたり。


入り組んでいます。でも、出てくる言葉と声は率直です。


最終盤にはアルバム『世界収束二〇一六』のリード曲“多数決”





これはまた名曲です。アルバムが俄然楽しみになってきています。


最後は、もう彼らのアンセムとなった“スターライト”で終演。冗長さを削ぎ落した生々しいライブを全身で感じたせいか、敢えて文字にすることが無くなってしまいましたが、そういうライブをするバンドが順調に五周年を迎えたことをここに記しておきます。



セットリスト
01.ビニール傘
02.タクシードライバー
03.季節は次々死んでいく
04.ワンルーム叙事詩
05.性善説
06.名前
07.雨男
08.夏を待っていました
09.ラブソング
10.スピードと摩擦
11.エンディングテーマ
12.しらふ
13.美しき思い出
14.収束
15.多数決
16.スターライト