一曲作るごとに「なんかもういいや」と、脱力感に襲われる者です。
何とかブログでも書いて軌道修正を図ります。
Noloi
夏籠
夏籠(なつかご) 作詞/作曲 祖父江直人
木目の階段を上って二つ目の部屋
純白のカーテンにくるまって笑う黒い髪
「見ぃつけた」 「見つかった」 七度目の夏
穏やかな二時の日差し いつまでも続いてく気がして
触れる君の震える手を強く引いた
儚い青い空の下に連れ出したくて
君がいたあの場所は鳥籠のようで
閉じた窓 開け放って カーテンは揺れ出した
それから 何度も何度も夏は来て
その度に君に会う 笑い合う 鳥籠の中へ
「今だけは この世界が好きになれそう」
思い出は陽炎のよう 君にはもう会えなくて
浅い眠り 深まる夜 夢に見てる
眩い暑い 光の下 生きてた君を
涸れた未来 絡まる過去 抜け出せなくて
もう僕は この世界が嫌いになりそうで
揺れた陰に揺らぐ世界が同調して
重なり合う君と僕を 堕として行く
消えていく 消えていく 命の光に
僕はまだ 僕はまだ あの夏を巡っている
触れる君の触れる手を強く引いて
儚い青い空の下に 連れ出してしまった
僕を 許してくれるかな
※※
イントロのアルペジオは各弦をそれぞれ別々にレコーディングしてパンニング(音の位置を変えること)しました。ヘッドホンで聴くと音が左右から交互に聴こえてくるはずです。
それを二つずつ重ねて録ったので、イントロだけで16トラックあります。

壮観です。
さらに今回は激しいロックバラードにしたいということもあり、曲中のギターも重ねに重ね、常に最低五本のギターが鳴っているという状態になりました。
同じギターを何本も重ね録りしただけなので(ダビング、といいます)、別にそんなにしなくてもいいかなと思っていたのですが、やはり一つ外すだけで音圧が全然違うので、思い切って全部流しました。
SONAR X2というソフトを使っているのですが、トラック数の多さが結構な過負荷だったようでミックス(音のバランスを取ったり、音を多くしたり)するときにちょっと動作がガタつきましたが、気合で完成させました。
イントロでプツプツ音がしていますが、音作りの失敗では無くて、敢えて薄くノイズを入れたのです。
歌詞の内容が、戻らない過去を振り返るというものなので、そこを表現したつもりです。
なお、今回は、というか今回も、自作小説のイメージソング。主題歌という位置づけで作りました。
祖父江直人
リリリリ-Re:Re:Re:Re:-
小説本編(リンク先 ノベルジム)
変なタイトルの小説が書きたかった~オリジナル小説 『リリリリ 上』
詳細はこちら(↑)のブログに書きましたので読んでみてください。
夏というのは俺にとって四季の中で最も切ない季節という認識があって、何があったというわけではないのですが、かつて“灯火”という曲を「夏の歌だ」といってお盆にアップロードしました。
お時間が四分ほどあったらどうぞ。
子供の頃、戻せない過ちを侵した後悔に苛まれる小説の主人公の気持ちに寄り添いつつ、寒くなってきたこの時期だからこそ聴ける『夏歌』を、というコンセプトで作りました。
タイトルの意味は『記憶の籠の中に閉じ込めた、あの時の夏と君』というような感じです。
冬に聴く夏歌、“夏籠”。Noloiという、未だギターボーカル以外のメンバーがいないバンド共々よろしくお願いします。
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