“ray”を聴いてしまって居ても立っても居られなくなった者です。
コメント欄にも書いたし、Twitterにも同じことを呟いたのですが、完全にポップミュージックとして覚醒した楽曲のアレンジといつまでも変わらない歌詞の求心力以上に気に入ったのが、Vo&Gt.藤原基央さんのぎこちなさ過ぎる曲中のステップです。
楽曲のノリや、いつもの番場秀一さんではなく東市篤憲(とうしあつのり)さんがディレクションしていることも関係してか、藤君に随分と“動き”を求めているような、そして、それに応えようとしているような。
でも、やっぱり慣れて無い感じが画面からもひしひしと感じられて、それがたまらなく愛おしく思えます。
さて、こちらをご覧ください。
???『MOR(バンプのプロデューサー陣)さん、ドームですよ!ドーム!!』
ついに彼らはロックバンドのまま、ポップスターになりました。
うん、ちょっと頭がおかしな文章になってしまいましたので解説します。
ロックって何だってなると、ちょっと定義があやふやというか、“そう思う人の数だけ答えがある”というファジーな感じになってしまうんですが、ロックバンドとなると話は結構簡単。
自分たちで楽器を演奏しているのがバンドです。で、そのジャンルがロックならロックバンドです。簡単でしょう。
じゃあポップって何?これまたややこしいんですが、バンドという形態をとっている中で“ポップ”を決める簡単な尺度があります。
それは、『ボーカルがハンドマイクで歌っているかどうか』です。
はい、ブラウザバックしないでください。ここまで読んだならまだ帰らないで、これはマジです。
ライブ規模が大きくなっていくほど、つまりバンドが大衆性を帯びて行けばいくほど、オーディエンスとの距離が遠くなっていく。スタジアム最奥の五階席からスタンドマイクを前に歌い続ける姿を見ていると、アーティストはゴマ粒のようで、多少なりとも動きが無いと辛い。
必然的にボーカルのパフォーマンスにも色々とアクションが要求され、いつまでもギターを担ぎ続けているわけにもいかなくなる。
サザンもそうだし、ミスチルも、最近で言えばflumpoolだってラッドだってセカオワだってそう、昨年は[Champagne]もついにハンドマイクを開放した。最初はギターボーカルだったけれど、少しずつ片手が自由になる時間が増えていく、そうやって少しずつ変容していく、それは悪いことじゃないけれど、ロックバンドが少しずつポップミュージックを鳴らし始めたということの証です。
とはいえ、素人意見では説得力が皆無ですので、専門家にご助力願うことにします。
2008年のロキノン兵庫慎司さんのライブレポートから、少し引用
「パンク・ラウド方面じゃないギター・バンド」「派手な演出が合わない音楽性とキャラクターのバンド」という点において、大会場に向かないスタイルなのだ、バンプは。ボーカリストはギター弾きながらだから、マイクスタンドから離れられないし。つまり、動きが限られるし。
でも、彼らはそのままの状態で、アリーナツアーを何本もやり続けている。そして、何度も書きますが、東京ドームです。
デカいボールが出てきたり、ザイロバンドを配ったり、山崎監督の映像を流したりSEがボレロになったり(これはあんまり関係ないか 笑)しているけれど、実際にバンドの方が何か動くということになると、せいぜい“恥ずかし島”(アコースティックステージ)に立つくらいで、四人は変わらずそれぞれの演奏をしているだけで、はっきり言って去年のスタジアムライブの演奏ステージを、そのまま500人くらいのライブハウスでやっても同じものになると思います。
手首が光らなかったり、YOUTUBEで観れなかったりするだけです。
今回のMVを見ても分かる通り、今更藤君にハンドマイクを持って歌ってほしいなんて思わない(当人がそうしたいのなら、やぶさかではないですが、多分無いと思う)し、アリーナに花道を作ったところで、誰も歩かない絵が容易に想像できます。
彼らはずっと『バンドをポップにしない』(“ポップバンド”とは少し意味合いが違います。音楽性じゃなくて、バンド形態としての“ポップ”にならないという意味。)まま、ポップスターの証明のようなステージに立とうとしている。
さて、ブログタイトルを回収しましょうか。
何でバンプが東京ドーム公演できるのかって、そんなの、リスナーが望んだからに決まっている。―――話が終わっちゃいましたね 笑
もうちょっと広げます。
「いや、私は望んだわけじゃない」と思っていても、幕張メッセを四日間押さえてもチケットが足りなくなるほどリスナーの増えたバンドとして、このステージは必然です。
でも彼ら(バンド)は何も変わらない。会場の規模がどんなに大きくなろうが、演出効果が派手になってライブに映像を映し出そうが、風船を飛ばそうが紙ふぶきを舞い散らそうが、バンプは相変わらず四人でステージに上がり、四人で演奏し、一緒に降りていく。その間藤君はスタンドマイクの前に立ち続け、ギターを下ろそうとしない。
聴き手との距離が遠くなるからいろんな工夫はすれども、このロックバンドのフォーマットのところは一切変えていません。
もし、バンプが変わったと思うのなら、それは彼らを大きなステージに上げるまで聴き続けたリスナー自身が、『ロックバンドだけどポップスター』という立ち位置にならざるを得ないまでにバンプの音楽を愛し続けてきたあなた自身が、そのことに自覚的でないからです。
もし、インディーズ時代からのファンで、「あまり大々的に売れてほしくは無かった」と思っているのなら、買わなきゃよかったんですよ(暴論)。
でも、CD出ると買っちゃったでしょう?ライブがあるとちょっと遠くても行っちゃったでしょう?彼らの音楽が大好きなんでしょう?
俺もそうです。そんな人ばっかりです。だからバンプは売れました。スタジアム、ドームクラスのバンドになりました。
今のポップスターバンドとしてのBUMP OF CHICKENは、ほかでもない、あなたが作り上げたんです。
多分ここ最近のJPOPの歴史上最も純粋培養な形で、彼らは本当の意味でのポップスターになりました。その光(RAY)は決して歪むことなく真っ直ぐに皆の耳に届き、聴くもの全てを祝福してくれるでしょう。
果たして昨年のQVCマリンスタジアムのように、ドームライブには行けるのか!?そして地元のナゴヤドームにはいつ来てくれるのか!? 笑
そして『RAY』の全容は!?ということで、3月12日の狂喜乱舞でぶっ壊れたブログをお楽しみに!
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