1,2,3……??~THE BAWDIES『1‐2‐3』 | ライブハウスの最後尾より

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邦楽ロックをライブハウスの最後尾から見つめていきます。個人的な創作物の発表も行っていきます。

どうも( ^_^)/

新しいオーディオ、ギター、音楽機材の購入を検討している者です

そうして最初にぶち当たった壁は予算では無く置き場の確保(部屋の狭さとの戦い)という 笑

何とかしよう、ということでこの話は終わり、今回はTHE BAWDIES(ボウディーズ)のニューアルバムを紹介します

このバンドとの出会いは一昨年にサードアルバム『LIVE THE LIFE I LOVE』を聴いた時からで、『全編英語詞+古き良き60年代ロックンロール』を現代日本の音楽シーンでやっている面白さと曲の分かりやすさに惹かれました

俺の好みは日本語で歌われる日本人のロックという狭いジャンルに完全に偏っているので、ゴリゴリのロックンロールなど全くの守備範囲外

そんな俺みたいなリスナーを振り向かせたサードアルバムの後、武道館ライブを成功させ、シングル曲に続々とタイアップが付くことで平時から音楽を聴かない人の耳にも届くようになった

『ロックンロールを日本のシーンで』という彼らの目論見は確実なステップを踏んでいると言えます、そして満を持してリリースされた4thアルバム『1‐2‐3』

このタイトルについて考えた時に、上記の『バンドが大きくなるためのステップ』というものと、『1、2、3ときたら4=メジャー4枚目のアルバム』というメッセージというものを考えていました

本来のメッセージとは違うかもしれないけど、俺はそう考えた、その上でこのアルバムを聴いてみたんです

1、2、3・・・4、どころじゃない……!!
完全に突き抜けてます、これは凄いものに出逢ったなと感じました

ウキウキと心躍るポップなロックンロールサウンドが全編に渡って調子良く鳴り続けて、40分があっという間に過ぎてしまう

では、一曲ずつ聴いていきますが、このアルバムは結構曲順のカラーがハッキリしており、4つ位のボックスに分けることができるので、各ボックスに分けて曲の感想を書いていきます

無論、俺の勝手な聴き方ですので、あまりお気になさいませんよう




『1‐2‐3』

・第一ボックス

アルバムの開幕二曲『DANCE THE NIGHT AWAY』と『LONELY MAN』のハイテンションコンビ、アルバム全体のエンジンになっています

1曲目の『DANCE~』はタイトル通り踊りまくりのロックンロール、ROYさんの良い濁り具合でカマされるボーカルをたっぷり堪能できる曲

『LONELY MAN』はゴリッとしたガレージロック的なナンバー、洋楽好きな人は大好物なリフ満載と思います

・第二ボックス

『ROCK ME BABY』を皮切りに、音がグッとポップでスイートに
日本のJポップと同じ土俵で戦うTHE BAWDIESならではの曲たちが並びます、今のところ、俺が一番好きなボックス

『ROCK ME BABY』
ジャカジャ~ンというギターから一気に広がっていくようなイントロとAメロ、センチメンタルなBメロ、聴きやすいキャッチーなサビ、と、これだけ書くとまるでJポップですが中身は英詞だし完全にロックンロールしてます



『I WANT YOUR LOVE AGAIN』
『ROCK ME BABY』と似たようなカラー、違いはセンチな音は少なめで、お気楽ノリノリなロックサウンドが絶えず鳴っているということ
それにしても英語の読解力のかなり怪しい俺でも1,2回聴けば軽く歌えるキャッチーさは流石です

『LEMONADE』
もうね、大好きなんだ、この曲 笑

切れのいいギターの音に甘酸っぱく切ない、さながらレモネードなメロディが乗ったミディアムナンバーなんですが、このアルバム購入理由の半分以上が、「『LEMONADE』が入ってるから」と言って良いです




・第三ボックス

再びレッツパーティ! 笑
アルバムの後半戦であり、リスタートを切った曲たちが並びます

『LISTEN』
走り抜けるような曲調に畳み掛けるようなボーカルとコーラスの応酬、まさに「つべこべ考えずに聴け!!」という感じです

『TAKE A CHANCE』
普段はベースのROYさんがボーカルですが、この曲ではギターのTAXMANさんのボーカル
ROYさんからはブラックミュージックをルーツにした黒人的なソウルを感じますが、TAXMANさんは白人のロックボーカル的な雰囲気を感じる(ちなみに、本人たちは混じりっ気なしの日本人)

『RED ROCKET SHIP』
今作のタームでは最古のシングル、武道館ライブ前に作られた曲です
ウキウキなサウンドがこのアルバムの特徴ですが、この曲はウキウキよりもっとフワフワ、楽しさで天高く舞い上がってしまいそう



特に最後のサビの繰り返しが堪らない


・第4ボックス

『SHA LA LA』の哀愁漂うテイスト、「一緒に踊ろうよ」と誘うような『CAN'T STOP GROOVIN'』とラストの『SING YOUR SONG』に感じるリスナーへの力強いメッセージ

カラーは様々で聴きごたえたっぷり、最後まで気は抜けません

『SHA LA LA』
失恋の歌、恋人が居なくて萎びた男の情けない姿が浮かぶようです(酷い)

英詞というのは非常に、そして非情なまでに直截的、細かいニュアンスは聴き手に委ねられる部分が多いので、俺はあまり歌詞カードと睨めっこせずに聴いた方が良かったです

『CAN'T STOP GROOVN'』
ライブでやったら盛り上がり必至、いや、このアルバムの曲のほぼ全てがそうなのですが、これは特に

歌詞もリスナーをグイグイ引っ張ってくれる
最近の感想文では歌詞の転載はしない主義なので、この曲が持つ詞の求心力は実際に聴いて確かめてください、中卒程度の英語力(俺のことです 笑)があれば理解できます

『SING YOUR SONG』
アルバムのラストを飾るこの曲も詞に注目したい

『CAN'T~』とは違い、曲自信をリスナーの傍に寄り添わせるような感じで聴きました



こうして頭出しで聴くとまた少し違った印象を受けます、しかし、やっぱりアルバムという一つの作品としての曲順で聴くのが一番だと思うのです


ボーナストラック『1-2-3』
初回限定盤のボーナストラック、同じく特典のDVD『Day in 1-2-3』の内容によると、12時間で24トラックのアナログレコーダーに一発録りされた曲

アナログらしい質感と一発録りの緊張感、そしてとにかくメンバー全員の音が若い 笑


DVDに収録されたドキュメンタリー映画のような内容も素晴らしい

90年生まれの俺はアナログテープレコーダーというものを知らない

物心ついた時には100トラック収録可能のデジタルレコーダーが出ていたし、今宅録で使ってるのも録れるトラック・音数はほぼ無限
24トラック(黎明期はなんと4トラック!)という制約の中で音を録る難しさ、楽しさを知らないんです

あと、ミックスダウン(ギター・ベース・ボーカルその他諸々の音のバランスを整える作業、これで最終的な曲の表情が決まる)をリアルタイムでやってるのが驚きでした

上下に動かすツマミと、オーディオのボリューム調節ツマミがたくさん並んだコンソールの前にエンジニアが三人並んで、曲を流しながらミックスしていく

昔はみんなこれでやっていたんでしょうが、90年生まれの俺(しつこい)にとってはカルチャーショック以外の何物でもない 笑

いや~、良い映像作品を作ってくれました、ありがとうTHE BAWDIES



と、長々と語りましたが、最後に一つ

一度でいいから、ボリュームをMAXに上げて聴いてみましょう

時間帯、近隣住民、自分の鼓膜への迷惑などはとりあえず横に置いて、自らの心が楽しめるままに楽しんで聴く

他人の顔色を窺わず、ロックンロールの持つ生々しい狂騒に身を委ねると、また一段違った景色が見えてくる、このアルバムは、そんな魔力があると思うのです