なんかさ、切ない~『ニュー・シネマ・パラダイス』 | ライブハウスの最後尾より

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邦楽ロックをライブハウスの最後尾から見つめていきます。個人的な創作物の発表も行っていきます。

どうも( ^_^)/

イベントにテンションを合わせに行けない者です

クリスマスだからと言って、ウキウキした街の気分からはどことなく浮いてしまうので、イブも今日もひきこもって映画三昧

俺の中でベスト1クリスマス映画の『ダイ・ハード』とか、今から紹介する『ニュー・シネマ・パラダイス』とかを観てました

さて、名作と名高いこの作品ですが、一見したところその良さに気付けなかったのです

しかし、今日あることがあって少し合点がいったので、そこらへんも織り交ぜながら語っていきます


・無理やり二行にまとめたあらすじ
イタリアの小さな村ジャンカルドに一軒だけある映画館の映写技師アルフレードが亡くなったと連絡を受けたサルヴァトーレは、彼と交流していた少年、青年期を回想する...


・↑これではあんまりなので、細かい内容(物語の核心にはできるだけ触れずに書きます)
映画の内容としては、主人公サルヴァトーレ、通称トトの少年期、青年期、そして中年の現在という三部構成になった物語


まず少年期
映画好きでイタズラ好きなトトがアルフレードの仕事場である映写室に度々忍び込んではフィルムが欲しいとねだり、そして追い返されるというコントのようなやり取りが微笑ましい

いい歳をした小学校も出ていないオッサンと、戦争のせいで父親の居ない幼い子供が友情を育んで行くのが第一幕の見どころです


少し大人になる青年期
この第二幕で描かれるのは、トトの初恋と、その相談に乗るアルフレードという新しい構図

気の置けない親友関係はそのままに、人生経験に於いて一日の長があるアルフレードがまるで師が弟子にするようにトトへ様々な言葉を授ける、否、“託す”と言った方が良いかもしれません


最後に、アルフレードの葬儀へ向かう現在
ダンディーな中年男となったトト、今は故郷から遠く離れ、経済的に成功を収めていました

久しぶりに訪れた村、そこで唯一の娯楽場だった映画館、そして数十年振りの我が家

人生の渋味を知ったであろう表情にはそこまで深い悲しみは見えない
映画は、そっと終幕する



・所感
初見の感想としては「これで終わりなのかぁ」というものでした

最初に書いたように、少し肩すかしを食らったような、もうちょっと大きな感動があるのかと思っていたら、かなり渋いものだったなぁという

で、観終わって散歩に出たんですね

この映画の感想文書こうかどうしようか考えながら歩いていると、寂しいところに出た

俺の住んでいる街は、繊維業で栄えていた歴史があり、繊維系の会社がたくさん集まった団地があるんですが、気が付くとそこをフラフラ歩いていたというわけです

今となっては繊維業など廃れる一方で、ほとんどの会社も店も開店休業状態かシャッターを閉めている

人ともほとんどすれ違わないし、団地の中心にある公園のベンチはボロボロ、池は涸れ果て、遊具も無い

俺自身、一時期そういう会社に勤めていたこともありましたが、かつてあったであろう活気は微塵も感じないというか、活気があったことさえ知らない

まるでゴーストタウンのような場所を歩きながら「なんか切ない」と思った
何故だか泣きたくなってきて、だけど哀しみの在り処が分からなくて、しばらく寂しさと悲しさと切なさが入り混じった空気を吸っては吐いていた

そんなことをしながら『ニュー・シネマ・パラダイス』を思い返して“郷愁”という言葉に行き当たりました

郷愁とは……
1.異郷から故郷を懐かしむこと。
2.過ぎ去った日々や古いものを懐かしむ気持ち。

本格的な郷愁(なんだそれ 笑)を持つほど長く生きてないけど、人が忘れてしまったような街の記憶(かつて栄えていた、今は街外れの寂しい団地)に触れたときに感じた切なさ、それを何倍かにした感情が、この映画が伝えていることなんじゃないかと思ったのです

まだこの映画を語るには早いのかもしれませんが、ここで一つ書き残しておくことにします


・・・やっぱりあの音楽も貼っておかなければいけないですよね


『ガタカ』『ラストエンペラー』『ニュー・シネマ・パラダイス』は、音楽だけを目当てに観ても十分ですね

無論映画としてもグッときますがね

この映画はイタリア映画で、俺はほとんどイタリア系は観られてないのですが『ライフ・イズ・ビューティフル』だけは絶対に観て損はありません、本当に素晴らしいです、併せて是非

あ、そうそう、タイトルは『キングダムハーツ2』ですよ、まぁ分かる人だけ分かってくれればいいです 笑