どうも( ^_^)/
最近アニメネタが多いせいかネットのグッズ販売店さん方から大量のアクセスを貰う者です
しかし抱き枕では眠れない性質なので申し訳ありません 笑
今日は映画の話
『ガタカ』で有名なアンドリュー・ニコル監督の『TIME』
『ガタカ』で遺伝子至上主義の世界を描いたニコル監督がタイムイズマネーならぬ、マネーイズタイムな世界を生きる人間を描いた映画です
・簡単にしようと思ったら長くなってしまったあらすじ
いつかの時代、人類は遺伝子操作により25歳で成長が止まり、そこからの寿命は“稼ぐ”ことが必要になった
それ故、富裕層は不老不死同然となり、貧困層は毎日一日を生きる時間すらもない
二つの層は数カ月分の時間を支払うことが必要なゲートによって分断され、寿命の格差社会が生まれていた
貧困層で母親と暮らすウィル・サラスは、ある夜バーで106年もの時間を持つハミルトンをギャングから助ける
富裕層の人間が何故物騒な貧困層に足を踏み入れたのか問い質すと、ハミルトンはいつまでも生き続けることへの虚無感を口にし、さらに“時間”が全てを支配する世界の真実をウィルに伝える
翌朝ウィルに全ての時間を与えると自ら命を絶った
一生分の時間を手にしたウィルは母親を伴って富裕層のゾーンに行くことを決意するが、その直前に家に向かうバスの料金が値上がりしたことが原因で“時間切れ”によって死亡してしまう
「貧困層で突然物価と税金が上がるのは何故だと思う?一部の富裕層を不死にするために、貧困層の人間を早く死なせるためだ」
ハミルトンの語った、この世界のシステムに母親を殺されたことに怒るウィルは、復讐心を胸に富裕ゾーンへ向かう
そして得意のポーカーで大富豪に取り入ることに成功し、自宅のパーティに招かれる
そこで富豪の一人娘として寿命の心配の無い、しかし緊張や楽しみもない生活に嫌悪感を募らせるシルビアと出会い、惹かれ合う
だが、時間の流れを監視する時間監視局が現れ、ウィルはハミルトン殺害の犯人として逮捕される
無実を訴えるウィルだが、聞く耳を持たない監視局員たちの隙をつき、シルビアを人質にとって逃げだす
ウィルの父親のことを知っている様子の監視局員レオンの追跡をかわしながら、ウィルはこの世界の体制とシステムに立ち向かう......
・あれこれ所感
『ガタカ』では遺伝子によってその後の人生の優劣が決まってしまう世界を描きながら『そんなことは無い、「可能だ」と思える強い意志があれば人間はできるんだ』という胸が熱くなる物語を展開していたニコル監督
『一つの世界を創り、立場の弱い人間が決まったシステムに抗う』という構図は自然にカタルシスを感じます、世界の潮流に必死で抗戦するファイターの物語ですね
今回は“寿命”を持つものと持たざるものとに分けられた世界
マネーイズタイムと書きましたが、ライフイズタイム≒ライフイズマネーという世界
「この世界、嫌だな」と、映画の設定を見てすぐに思いました
嫌だけど、遺伝子レベルで決まっているのならそこで生きるしかないんでしょうが、それでも嫌だ
嫌悪感の根源は、『一部の富裕層は不老不死、残りは全部早死に』という世界観に『1%の富裕層が世界の富の95%を独占、20%以上は1ドル以下で生活している』という現実世界の姿が重なって見えるからだと思います
―――重ねようという意図があったかは不明ですが、世界観が『ガタカ』のような近未来SFチックな美しいものではなく、どこか現代的で雑多なものでした
金がいくらあろうが早く死ぬ人は死ぬし、貧しくても円満な人生を送る人もいますが、命そのものが一握りに独占される不条理にはとても耐えきれそうにないというのが、「何かイヤ!」の正体でした
設定の中で面白かったのは『富裕層の人間は走らない』というもの
理由は、時間が無限にある人は急いだりしないから
なるほどと思ったし、その後とにかく逃亡と追跡のために走りまくる登場人物たちの中で、意外なほど早く走る人間が出てくるんですが、良い伏線だと思いました
それにしても、富裕層の御仁達は「不老不死万歳!」発言を連発しますが、一体死なないことの何がそんなに良いと言うんでしょうね
俺の思想ですので分からない人は分からないままで良いんですが、『生きる』ということは『死ぬまで続く苦しみを我慢する時間』で、そんなに良いもんじゃないと思ってる
仏教的とも言えますが、俺自身はかなり俗物ですので、そんな高尚な考えじゃないです 笑
楽しかったり嬉しかったりすることもあるのに、苦しかったり痛かったり辛かったり寂しかったり腹が立ったり死にたくなったりする時間の方が確実にたくさん感じる陰陰滅滅・ネガティブ&ニヒルな思考回路と感性を持って生まれたが故の思想です、これ自体があまり良いもんじゃないね!
明日なんて別に来なくていいと思ってます、そもそも明日が来る保証もないですが
今日一日を生きた命は一日で終わり。俺は眠ることで一旦死んで、もし明日が来るのなら俺は新しい命を持って生まれ、その一日を生きる(だから寝るのが好きなんですよ)
そうやって毎日に命の区切りを付けて今まで生きてきたし、これからもそうします
永遠なんぞ脇道の肥溜めにでも突っ込んでおけばいいのです
これに関しては、また別の機会に語るとして、今は映画の話ですよね
『ガタカ』でも印象的な音楽が映画を盛り上げていたように、この作品の音楽も優秀です
特にエンドロールは音楽単体で泣きそうになりました 笑
良作です、是非観てみてください
せっかくなので、『ガタカ』も語ってみます次回のブログ