若い頃のことをなんとなく思い出しました。


今よりずっと華やかな場所にいた気がします。


クラブには通っていたし、少し目立つ容姿のおかげで、入店の行列にいたら黒服に声かけられて、優先的にVIPへ。

バブルの名残のような、景気のいい大人たちに連れて歩いてもらうこともありました。


高そうなお店。

にぎやかな音楽。

楽しそうに笑う人たち。


外から見たら、きっと私も楽しそうに見えていたと思います。


でも、なぜか心の底からハッピーではありませんでした。


楽しくなかったわけではない。


その場では笑っていたし、面白い出来事もたくさんありましたよ。


でも、家に帰ると、どこか空っぽ。


あれだけ人がいたのに、

ひとりになった瞬間、急に静かになる。


私は昔から、物にも華やかな暮らしにも、それほど執着がなかったからかもしれません。


高級なお店に連れて行ってもらっても、特別扱いをされても、


「これが私の欲しかった幸せなのかな」


と、どこか冷静な自分がいました。


今になって思うと、私はずっと、楽しい場所を探していたのではなくて、


「心が動く人」を探していたのかもしれません。


にぎやかさでは埋まらないものがある。


たくさんの人に囲まれていても、孤独な夜はある。


華やかだったはずの時代を思い出しても、私の中に残っているのは、きらびやかな景色より、あの頃感じていた小さな虚無感だったりします。


でも、その空っぽな時間があったからこそ、


本当に心が動く瞬間が、今は分かるのかもしれません。