昔よくいた、やり逃げの人の言い訳が、


「過去にシャワー中に財布(もしくは中身の現金とか時計)を盗られたことがあるから、ホテル代の最低限しか現金を持ち歩いていない」


というもの。


この時の人もそうでした。


だから、駅のコインロッカーに財布を入れてきたと。


コトを終え、駅に向かう途中に、ケーキ屋さんに寄りました。


「お子さんと食べて」


いくつかのケーキを買っていただきました。

2000円くらいだったかな?

買ったケーキはその方が持ってくれて、歩いて駅へ向かいます。


そして駅に到着。

コインロッカーの前へ。


昔ながらの鍵が必要なコインロッカー。


「俺、これ(ケーキ)持ってるから、鍵開けてくれる?」


手渡された鍵で、ロッカーの番号を見ていると…


もうおわかりですね?


彼は

ケーキをパサっと床に置き


猛ダッシュして、改札の中へ走って行きました。


取り残された私は、呆然とその後ろ姿を見ていました。


ハッと我にかえりましたが、咄嗟に彼を追いかけるよりロッカーを開けました。


人間て不思議ですね。


一瞬そのとき、「騙された?」よりも、「え?財布は?大丈夫?」と思ってしまったのです。


もちろんコインロッカーは空っぽです。


いくつもの路線の入っている駅でしたから、もし気づいてから追いかけたとしても、人混みに紛れてしまっていたでしょう。


それに、そこまで考えているなら、電車の時間も調べていて、乗るギリギリに改札に駆け込んで自分だけ目当ての電車に飛び乗ったのではないでしょうか?


私はケーキを手に…寂しく帰宅しました。

その中でも有名な種類のケーキをいただきました。


今思い出すと、俊足さんだったなぁ。