April 11, 2024より,全訳を記します.

 

Central Cyanosis in Acquired MethemoglobinemiaN Engl J Med 2024;390:1311

後天性メトヘモグロビン血症における中枢性チアノーゼ

 

症例は35歳の男性で,4日前からの不安感や不眠,手足の安静時振戦を主訴に皮膚科クリニックを受診されました.受診の1ヶ月前,患者はグルコース-6-リン酸脱水素酵素欠損症の検査が陰性と分かった後,ダプソンを含むハンセン病に対する多剤併用療法が開始されていました.身体診察では,唇や舌に青みがかった変色,すなわち中枢性チアノーゼとして知られる所見が観察されました.チアノーゼは身体の中で表皮が薄く血液供給が豊富な部位,例えば耳や鼻,口唇,口腔粘膜などで最もよく見られます.中枢性チアノーゼがあれば,動脈血酸素飽和度の低下やヘモグロビン異常に対して注意が必要です.動脈血ガス分析では酸素分圧(PaO2)は96mmHg(基準値:75~100)で,酸素飽和度は84%でした.PaO2と酸素飽和度の値の不一致(「飽和度ギャップ」として知られる所見)によって,ダプソンによる後天性メトヘモグロビン血症が疑われました.ダプソンによる治療は中止され,支持療法が行われました.メトヘモグロビン濃度は外部の検査機関で評価され,14%でした(基準値:0~3).初診でダプソンを中止して2日後,症状およびチアノーゼは消失していました.

 

Evolution of Pyoderma GangrenosumN Engl J Med 2024;390:e36

壊死性膿皮症の進展