「ホームフィールドアドバンテージ」論考(3) | 楕円球空間

「ホームフィールドアドバンテージ」論考(3)

3. 結論

 2020年シーズンのNFLレギュラーシーズンを対象に、モスコヴィッツらによる「観客の存在が審判に同調圧力を与え、ホームチームに有利な判定を無意識に下すためにホームフィールドアドバンテージが生まれる」という結論の妥当性を検証した。256試合を対象にした調査結果は明らかに「無観客」試合の開催によってホームフィールドアドバンテージがNFLにおいて消滅したことを示している。

ただし、本調査はNFLを対象にしたものであることを注意しておく。「無観客」試合の影響が普遍的にあるかどうか比較する対象としてMLBを選んだところ、2020年シーズンの結果はhomeの500勝398敗で、勝率は.557であった。これはモスコヴィッツらの調査による1903年(!)から2009年までのMLBでのhome勝率は0.539だったので、むしろ今年のほうがhomeが強かったことになる。2010年から2019年までの統計を未調査のため、最近10年の結果について比較をしていないことを断りながら述べると、本当に「無観客」がホームフィールドアドバンテージを消すかどうかは更に別の競技でも調査する必要がありそうだ。