音楽のほうは・・・
こちらもいくつか。
「カルメン」メトロポリタン歌劇場
Bedbug bombが炸裂する寸前に・・・。ドン・ホセ役のアラーニャは流石に衰えたが、逆にホセのダメ男っぷりにマッチしていて、「味のある」演技と歌唱。カルメン役はフランス人のクレモンティーヌ・マルゲーヌ。始めて聴く人、聞く名前だが、これがカルメンにバッチリはまった妖艶・艶満(デブの手間でちょうどいい体躯)な方で、秀逸。演出もメトロポリタンらしく安心安全の原典主義で、逆にこれはお金かかるだろうなぁ、という演出。最近好みのオケピット横の席からで堪能。ただ指揮はただ棒を上下左右に動かしているだけで無能。オケもということで通常公演モードだった。土曜なのでメトは2公演の日(バカです)。開始が20時で終演は24時。さすがに宵っ張りのNYerたちも拍手もそこそこで撤退していた。
「パルジファル」バイエルン国立歌劇場
「後宮からの逃走」同上
イースターの時期、となればパルジファル(大晦日に「こうもり」、6月にマイスタージンガー、みたいなもん)。これが2回目。前回は2005年、コンヴィチュニー演出で僕は好意的に見られて、W. Meierのクンドリーが空前絶後だった。あのときは指揮がアダム・フィッシャーだったので争奪戦はなく7列目くらいの平土間が取れたが、今回はペトレンコ指揮なのでそうはいかず5階最前列。でも舞台演出は昏くて儚くて動きが少ないのでオケを堪能するにはこれで十分。出だしの旋律から全身が総毛立つ柔らかくて耽美的で官能的な、ザ・ペトレンコサウンド。来てよかった・・・。ペトレンコも2回目で前回のマイスタージンガーも素晴らしい出来だった。惜しかったのは2幕最後の一番いいところ(「次にどこで会うかはお前が知っていよう」の直前)でObが1小節早く出てそれにつられてパルジファルも1小節早く出ちゃったところか。パルジファル役のB. Flitzは後半バテてしまったが、グルネマンツのPapeとクンドリーのStenmeが出色の出来で、総合的に見れば最高のパルジファル。後宮からの逃走のほうは、ただひたすらに楽しいモーツァルトの世界。演出も現代的だけど僕は好きなテイストで純粋に音楽を楽しめた。それにしてもこのオペラは最後の太守のセリフが現代でも尚色褪せない名台詞で、あの一瞬のため2時間がある、と思える。
レオニダス・カヴァコス指揮 バイエルン放送交響楽団
ベートーヴェンVn協奏曲弾き振り&ベートーヴェン7番。カヴァコスはもう30年くらい前にとある先輩から教えてもらって、そのシベリウスVnコンのあまりの上手さに卒倒したが、あの退屈なベートーヴェンの協奏曲をここまで魅力的に弾けることにいたく感動。魅力的なのに、カデンツァは限界ギリギリに技巧的で12度とかあった。あんなの弾ける人、そんなにいないはず。どうやら自作のカデンツァという噂。