ある音楽バカ、或いはダメ男の一生
というドキュメンタリーを見た(もっともそういうタイトルではないが)。
取材の対象になったのはオットマール・スイトナー(Ottmar Suitner)。N響の常任指揮者で今は名誉桂冠指揮者か何か?若いころ(高校生くらいのころ)、よくNHKホールで聴いていたが、風貌も指揮ぶりも頑固で一徹なドイツの禁欲的な指揮者、という感じだった。しかし!人間やはり見た目ではわからないものだ。
ドキュメンタリーを撮影したのは彼の庶子。庶子っていうくらいだから愛人の子。バイロイトのときに16歳以上若い大学生(当時24歳、写真で見る限りものすごい美人。今は跡形もない。)と付き合いだして数年して出来た子供が彼らしい。それだけでも十分情熱的(ってようするにダメ男)なんだが、本妻とも離婚せず、今は週に一度本妻・愛人・愛人の子と4人でランチをするそうだ(もう理解不能)。
もちろんそれぞれ言い分はあるんだが、総合すると私の理解ではスイトナーはみんなにいい顔してた(してる)、ということ。いやぁ、立派な音楽バカであり、さらに究極に近いダメ男。だいたい愛人に「あなたは愛のなんたるかを知らないからトリスタンがちゃんと振れるわけがない」(これを24歳の娘がバイロイトの招聘指揮者に言っちゃうわけだ)とか「私と付き合いだして貴方の芸術は進歩した」とか(これは現在)とか言われ放題で、どうなんだろう、と。庶子には「お父さんが年とってからの子供だから一緒の時間が少ないよ」といわれると「母さんと出会うのが遅すぎたんだ」とか言っちゃうし。
というわけで突っ込みどころ満載の番組で笑えた。