リリア・ジルベルシュテイン | 楕円球空間

リリア・ジルベルシュテイン

あんなにオバサンになってしまったんだなぁ、と遠い目をしながら録画したスタジオ演奏を見る。


昔は(記憶では)美女系ピアニストだったはず。まぁ43歳のロシア人で太らない人が何パーセントいるかという問題はあると思うが。演奏のほうはタニェエフという知らない人の前奏曲とフーガに、ラフマニノフの13の前奏曲(作品32なので2番の協奏曲よりあと)という地味な曲目だったが、滋味あふれる演奏。知らない名曲ってあるんだなぁ、と実感。ラフマニノフのほうは12の前奏曲のほうはもちろん知っていたが、どうも聴いてみると13の前奏曲のほうがいい曲なんじゃないか、という印象。秋の夕暮れに紅茶にジャムでも入れて飲みながら聴きたい曲、という感じ。そういうわけで大変満足して視聴。


ピアノの言えば先日、大学時代の友人の演奏会に行った。もう20年くらいの付き合いだが口の悪くて話好きな奴(笑い)でいつも長話になり罵り合う(笑い)ことに。StuttgartとBernで長電話したこともあった。昔はよく室内楽をやって自分がVn、ヤツがVcだった。でも彼の本業(?)はピアノでそれはそれは超絶的な腕だった。特に現代曲やらせたらどんな曲でも弾きこなすような感じ。当時はメシアンをよくやっていたと思うが「難しい数学の証明問題を解くような感じで曲を分析する」とか言っていたっけ。結局大学を中退しプロになりベルン音楽院でマスターコースだかなんだかを修了し現代曲の泰斗として賞ももらったが最近は一転古楽のスペシャリストへの道を。今回はフォルテピアノという昔のピアノみたいなものでベートーベンのピアノ曲を全部弾く、とかいういかにもヤツらしい企画。


で、行った日はピアノソナタ数曲(告別とか月光のある10番台)に現代曲2曲。フォルテピアノって演奏難しそうですねぇ。音が出にくそう。ただヤツは(いつものことだが)練習不足だったなぁ(笑い)。アマのころからピアノに関しては超泥縄で前日にがーっと練習するタイプ(読譜が異様に強いのとテクニックが強靭なのでできる技だ)だったが、今回も案の定そうだったみたい。本人も不本意だったらしく、終演後楽屋に行くと会うのは7年ぶりだったのに第一声は「あ~もうホンマに!いますぐ死ね!」。現代語訳すると「こんな出来の悪い日に限って来やがって!お前に酷評されるのはイヤだから何も言うな!」ということ(爆笑)。一気に昔にタイムトリップした感じでしばし会話を楽しんで帰宅。このチクルスはずっと続くみたいだけど、次回は事前に行く日を伝えてしっかり練習してもらっていくことにするかな。