青色ダイオードに思うこと
11月の最終日曜日も終わり、いよいよ12/24までの長い長いクリスマス月間がスタートしました。
今年驚いたのはとにかくクリスマス商戦やら飾りつけやらが早いこと!10月中旬からやっていたような。ちゃんと11月の最終日曜日から、と決まっているのだから勝手な都合でフライングしないでもらいたい。
クリスマスといえば電飾。昔は黄色と緑くらいだったのが、技術の進歩(あえて科学の進歩、とは言わない)の恐ろしさで、今は青色と白色が非常に多い。私の住んでいる街でもあちこちの街路樹にこの青と白の電飾、しています。色彩的な好みを言うと青は好きな色ですが、この電飾の青はイケてない。とにかく寒々しいです。白も同様。寒くて暗いこのシーズン、緑の樅の木や暖かい色のキャンドルを使うには意味があると思っているのですが、目新しさでやたら青を使っている。街全体が凍りつくようで情緒がありません。
思えば自分の研究人生の最初の7年はこの青色に振り回された人生だった。会社に入って研究所に配属され、最初の部署がこの青色ダイオードを開発(あえて研究、とは言わない)する部隊だった。現在の青色ダイオード、材料は窒化ガリウムがベースで、白のダイオードは詳しくは知らないが、インジウムを大量に入れているか、ないしは青・緑・赤のダイオードをチップに組み込んで作っているはず。この場合青と緑は窒化ガリウムで作っていると思う。実は自分のいた部署は別の材料でこの青色を作る部署だった。研究開発に障害がつきものなのは理解しているので、なかなかうまくいかなかったりしたのは織り込み済み。ただリーダーがころころと代わり(それも2人の間を権力が行ったり来たり)、さらにその上が無意味な精神目標を勝手に設定し、それを唯々諾々と飲んだ上司がむちゃくちゃな計画をたてて、終いには帳尻が合わなくなって残業青天井だの3交替(夜勤もある。留学から帰って次の週には夜勤をやらされた屈辱は絶対に忘れない。)だの、上司の出世欲に本当に振り回された。途中で材料系がこの窒化ガリウムに代わり(3交替はこのとき)、最後には事業所をすっ飛ばして子会社の工場に直接ラインを立ち上げる、とか言って若手が根こそぎ拉致されたなぁ。とにかく「よくこんな奴についていけるな」というのが当時の偽らざる本音。この上司は自分の遊びに付き合ってくれた若手を重用し、身内びいきが激しく、異様に出世志向が強く、思想的にも偏向し、賭け事が大好き、というドラマに出てきそうなくらい劇画調の愚物。
研究所生活で、尊敬できる先輩や上司(最後の上司は、上司としても人間としても懐の深い大人物で心から尊敬している)、仲間にも出会えていい経験もたくさん出来たが、何人か底なしの卑俗さ・愚かさをむき出しにした生き物にも会ってしまい、今振り返っても複雑なものがある。青色ダイオードを見ていると、そういう嫌な思い出がフラッシュバックしてしまい、素直に綺麗だ、といえない。自分が青の電飾が嫌いなのは実は「景色が寒々しいから」なのではなく、「人間の卑しさに寒々しい思いがする」からかもしれない。