文科系にも上意下達の風土 | Yosh Yoshida~Think Outside The Box~

文科系にも上意下達の風土

体罰やパワハラ、そして部員間のいじめと、体育会系の上意下達の体質の問題点が指摘されて久しい今、宝塚歌劇団発生した団員の自殺事件から、劇団内でのパワハラ体質の問題が浮上してきました。体育会系だけでなく、文科系でも起こる上意下達の悲劇は根っこで繋がっています。

 

昔から体育会系は体罰が当たり前と社会も受け入れてきた経緯もありましたが、2012年に発生した大阪・桜宮高校バスケットボール部の体罰自殺事件を契機に、体育会系の部活指導における暴力やパワハラに厳しい目が向けられてきました。あの事件から11年が経ちましたが、まだまだその体質が健全化されているわけではなく、体育会系の上意下達の負の遺産はそう簡単に無くなっていないのが現状です。

 

今回の宝塚歌劇団の自殺事件について、元劇団員から内部事情について健全化の必要性の声も上がり始めました。

 

 

 

「沈黙を破るべき」宝塚歌劇団の元劇団員が告白 “パワハラや長時間労働”誰も悪いと認識できない|読売テレビニュース (ytv.co.jp)

 

現役の劇団員だけでなく、退団した元劇団員も含めた関係者が、実態の問題点について声を上げ、健全化に向けて当事者意識を持って取り組んでいくことが求められます。

また、体育会系部活でも問題が浮き彫りになっていた、部専用合宿所・寮生活による、閉ざされた世界で偏った考えによる生活環境も、誤った行動を止めることができない要因の一つです。これはジャニーズ事務所の性加害事件も根っこで繋がっています。

 

 

5年前にPHP研究所の政治経済論壇誌“Voice”2018年5月号で、“スポーツに暴力は必要ない”と言う論考を寄稿しました。体育会系だけでなく文科系でも起こる上意下達の体質は、企業におけるパワハラ問題とも共通しています。この論考があらゆる組織で抱える、上意下達が招く悲劇を無くすための一助となれば幸いです。