
BluAgeの内定取り消しから見える日本型雇用の問題点
IT企業のBluAgeが新卒採用の内々定者を大量に取り消しをしました。
新卒一括採用や終身雇用といった日本型雇用が、近年通じなくなってきていると言われてきましたが、これまで日本で長く続いてきた日本型雇用、今回のBluAgeのケースから新卒一括採用の問題点とは何か、やはり1年近く前に卒業後の進路が決まるところと、全くの職歴にない大学生を雇用して、給料を支払い一から仕事を教える、というところにあるでしょう。
一方、欧米などで一般的なジョブ型雇用では、新卒者であっても職歴がないものを雇用したりしません。プロ野球でいえば野球の経験のないものをドラフト会議で上位指名し、高額年俸を支払って一から野球を教える球団がないのと同じです。採用が決まれば2週間以内に新しい職場に入り、即戦力で仕事をしていくことになります。つまり、今回のBluAgeのように入社前に採用の取り消しに当たる内定や内々定が取り消しになる心配はほぼありません。
1年~半年以上前に内定を得ても、卒業時点でその会社が存在しているのか(倒産していないか?)、またその企業の業績悪化や方針転換が起これば、新卒者の採用は宙に浮いてしまうリスクがあります。因みに、アメリカでは大学卒業時、就職先が決まっている新卒生はほとんどいません。多くは卒業後に就活をして就職先を探します。
著書“日本の大学に入ると、なぜ人生を間違うのか(アメリカの成功者たちが大学時代に学んでいること)PHP研究所”では、アメリカの大学生が卒業後を見据えどのように就活に備え職歴を整えているのか、日本企業が目指し始めたジョブ型雇用について詳しく取り上げています。著書の刊行は日本で少し早すぎたのかもしれませんが、やっと時代が追い付き始めたと感じます。