森喜朗氏の女性蔑視発言の波紋 | Yosh Yoshida~Think Outside The Box~

森喜朗氏の女性蔑視発言の波紋

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗氏の女性蔑視発言により、東京オリンピックを取り巻く環境に大きな影響が出ています。

 

 

この問題に抗議する意味合いもあり、大会ボランティアの辞退が続出し、スポンサー企業からも批判が出始め、このままの体制でオリンピックを開催することが難しい状況となりつつあります。ただ、国や日本オリンピック委員会・JOC、オリンピック組織委員会の関係者には“余人をもって代えがたい”など、会長職の辞任を否定する発言が多く出ています。

 

問題発言があったJOC評議委員会に出席した元競泳日本代表の松田丈志氏によると、本題の会合自体は50分ほどで終了、その後森氏へ一言お言葉を、ということで森氏にコメントを依頼されたそうです。そしてそのコメントに要した時間が40分、“一言”というと数分くらいなんでしょう。森氏の問題発言“女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる”は、女性が会合に参加すると話が長い!という意味合いでしたが、当の本人は一人で会合全体と同じだけ余計な無駄話をしていたことになります。

 

 

松田氏ご本人も含め、森氏に近い周りで違和感を感じても何も言えない、という上意下達の風土が日本のスポーツ界に根深くあります。4年前に日本大学アメリカンフットボール部のタックル問題をはじめ、スポーツの競技団体のトップレベルでの不祥事が多く発生しました。4年前に朝日新聞の日本大学アメリカンフットボール部のタックル問題の特集記事で、私の考えを取り上げていただきました。主に“俺様に口を利くな!(口答えするな!)”という言葉を使って上意下達の体質の問題点をしてきました。

 

 

日本のスポーツ界はもちろん、企業など組織の中に蔓延る上意下達・パワハラの被害は、先週末にDVで逮捕された元カリスマ経営者原田泳幸容疑者のように、職場内だけでなく家庭内にも広がっていきます。これらの問題は根っこで繋がっています。