森喜朗氏の女性蔑視発言は性差別の金メダル | Yosh Yoshida~Think Outside The Box~

森喜朗氏の女性蔑視発言は性差別の金メダル

世界最大の人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチは、本日公式HP(英語版)に“A Gold Medal for Sexism in Japan”というタイトルの記事を公開しました。

 

 

この記事は今週世界的に報道が広がっている東京オリンピック組織委員会の森会長の女性蔑視発言に対するもので、オリンピックに絡めて森氏の今回の女性蔑視発言は性差別の金メダルに値すると皮肉っています。

 

ヒューマン・ライツ・ウォッチは昨年日本のスポーツ界の暴力問題の調査報告書を公開したことでも知られています。

 

 

この調査報告書のきっかけは2012年に発生した大阪・桜宮高校バスケットボール部の体罰・自殺事件でした。この事件の発生した時期は東京五輪・パラリンピック招致の最終段階を迎えており、日本のスポーツ界の暴力問題がオリンピック招致に悪影響になる、との判断で、国を挙げて火消しに躍起になっていきました。翌年には女子柔道日本代表合宿で指導者によるパワハラが発生するなど、スポーツ界の暴力問題が次々に明るみになっていきました。しかし、東京五輪・パラリンピックの開催が決まって以降、国はもちろんスポーツ界も暴力問題から関心が薄れていきました。

 

日本のスポーツ界に根深く蔓延る暴力やハラスメント、そして今回の森氏の性差別発言といった人権侵害行為は、そう簡単には改善できません。今回の森氏の発言も、これらの人権侵害行為と根っこで繋がっています。

 

3年にPHP研究所の政治経済論壇誌“Voice”2018年5月号で、“スポーツに暴力は必要ない”という論考を寄稿しました。日本のスポーツ界が社会の模範となる存在になるために、そして世界から日本のスポーツは素晴らしい、という存在になれないなら、東京でオリンピックやパラリンピックを開催する資格はありません。