Junior Mendesの、Lincoln Olivettiが手掛けたアルバムについて書いたブログで、少し紹介した、ブラジルのソウルが好きな人なら、誰でも知ってる、ブラジルの有名なソウルの大ヒット曲、Olhos Coloridosの歌詞の背景を、本当に、まるで知らなかったので(ブラジルソウルのファンなのに、本当に恥ずかしいけれど。歌詞の内容について気付いて無かった…)、いつか訳さねばと思ったので、こちらの訳も。70年代に作曲され、1982年にサンドラ・ジ・サーが録音して、大ヒットした超有名曲。今も、ソウルやソウル以外のライブで、よく歌われて、この歌が流れると、皆一緒に歌える、大人気曲。ソウルで定番曲なので、しょちゅう聞いてたのに、歌詞を知らなかったのが、本当に不覚ーー。

 しかし、この手の歌詞は、本当に難しい…。Estar na minhaですら、迷いますでー。ざっと訳したので、後で手直しします…。ご批評は、どうぞお手柔らかに…。アドバイスありましたら、よろしくお願い致します。有名曲だから、多分、邦訳が何かの日本盤に載ってますよねー。私も見た事あるかしら…?。こういう歌詞を訳すると、本当にポルトガル語の歌詞の訳って、難しい…と思うー。単語や文法は簡単なのにねー。他の人が、すごく簡単なポルトガル語の歌詞で、意味を間違えてたりすると、あれれ?と思いますが、結構自分もすごく簡単な所で、気付いてない間違いも多いんじゃないかと思います(口語とかの、すごく簡単な単語の成句とかが、一番難しいんですよね、外国人には…)。Estar na minhaって何やねん…?。

 →Estar na minhaをヂリアのネット辞書、Dicionario Informalで検索した結果の意味を、下の方に貼ってますが、「70年代のヂリア」と書かれてて、日本でもそうだけど、今のヂリアもさっぱり分からないけど、昔流行った70年代の流行り言葉(日本で言えば、昔の流行語オー、モーレツというCMのモーレツとかetc)、まで、なかなか外国人はカバーできないもんです。語学って、難しいです…。

 

 だいたい、タイトルのOlhos Coloridosも「色が付いた目」と訳したけど、最初は、Jair君の曲、Vida coloridaを思い出して、「生き生きとした目」かと思ったんでした…。ほんと、難しい~。

 cabelo duroの補足ですが、ブラジルのサンバやバイーアのイレアイエ等の歌詞をよく見る人なら分かるけど、そういう歌詞に、よく出て来る表現で、黒人を象徴する表現。アフロヘアの事だと、今なら分かるけど、duroは「固い」という意味の他に、頑固なとか、難しいとかの意味もあるので、おそらく髪が固い、という意味以外に、アフロに細かくカールして絡まって、扱いにくい、というニュアンスもある気がします…。昨日ブログに載せた、Ile AiyeのQue Bloco eh Esseの歌詞にも、

 

Somo crioulo doido e somo bem legal.
Temos cabelo duro é só no black power.  

 

という風に、同じcabelo duroという表現が出てきたんで、印象に残ってたんでした。

 

 70年代以降に流行ったアフロヘアについて、あなたは恰好良いと真似をするけれど、その髪に黒人がどれだけ苦労しているか、そういうアフロヘアを持った黒人で有る事で、どれだけの困難があるかを、髪型を真似する貴方は分かっているのか?、と訴える歌詞。ブラジルの黒人、というと、貧しくファベ―ラ出身の…と想像する人が多いと思いますが、サンドラ・ジ・サーは、超ソウルフルな歌手というスタンスで、軽く見られそうな気がするけど、卒業はしてないけど、彼女は大学で心理学を学んでいたんでした(&LGBT系のスタンス。以前男性との結婚歴があるけど、確か今のパートナーは女性)。

 意外と、大卒の黒人歌手も、有名歌手には結構います(白人やモレーノの有名音楽家は大卒がザラだけど(※一般のブラジル人の大卒率より割合が高いと思う…)、黒人系歌手の大卒者の人数は多くない)。エミリオ・サンチアゴとか、サンバのLeci Bradaoも。ネイ・ロペスも現リオ連邦大学法学部卒。ジルはああ見えて、エリートだから(ゴメン!。大ファンだけど、ちょっと天然な肉体派のミュージシャンって風に見えるので)、名門バイーア連邦大学卒です。しかも大企業でサラリーマンしてたけど、そこは多国籍企業で、ジルは黒人初の幹部候補だったそう。そういう先進的な多国籍企業でも、ジルが「その会社の黒人初の幹部候補」だった事から、一般的な社会や企業の中での、黒人の地位を考えて頂ければ…。

 

 

 

↓「VAMOS DIZER NÃO AO PRECONCEITO!!!!!(人種偏見にはNO!と言おうぜ!)」と言った、動画についた反人種差別を訴えるコメントも読んで頂けたら…。

Sandra De Sá - Olhos Coloridos (Ao Vivo)

 

 

 

Junior Mendesについて書いたブログにも書いたけど、Olhos Coloridosで検索した時に見つけた、2015年の記事。黒人とその問題について歌われてるのは知ってたけど、恥ずかしながら、こういう背景があったとは知らなかった。

自動翻訳で読んだけど(スミマセン)、多分、自動翻訳でもそれほど誤訳は少なそうな感じでした。所々分かりにくい所はあるけど。作曲者のミュージシャンのMacao(中国の旧ポルトガル植民地のマカオから名付けられた彼のニックネームだそう)が、軍政時代の70年代に警察に不当に捕まえられた時に(その後釈放)、警察に受けたひどい中傷を基にして、この歌詞が出来たそうで。彼の固い髪などの事を、警察にひどく侮辱された経験が歌詞のベースになってるそう。

 

 

 Estar na minhaはGiriaかな?とググったら、Ficar na minhaがDicionario informalに載ってた。同じ意味かな?。と思ったら、「to na minha」で載ってるそうで…。「permanece tranquila diante de uma determinada situação」=与えられた状況に直面しても冷静さを保つ、って事は、私らしくあるで良いんかしら…?。ま、Dicionario Informalは説明が間違えてる事も多いし、例文も、外国人には分かりにくいので、あまり参考にならない気も。serenoは冷静沈着な、落ち着いてるの意味。

 こういうのは、ブラジル人に聞くのが一番ですねー。昔、パゴージの歌詞に出てきた、tem palavraの意味が分からなくて、ブラジル人に聞いたら、「私を信じて!」の意味だと分かったんでした…。後で、辞書にter palavraで、約束を守る、の意味を発見したけど、それでは歌詞の意味が通らなくて、ブラジル人に聞かないと、あれは絶対分かりませんでしたぜー。

 

●estar na minhaの意味は何?

Gíria dos anos 70, estou tranquilo, estou sereno, pessoa que tem convicção de suas atitudes e permanece tranquila diante de uma determinada situação. - Você não estudou o suficiente para essa prova. - Estou na minha!」

 

 

 

 

Olhos Coloridos

 

私の濃い色の両目は

私を反映している     se-refletir~を反映する  

私は、いつも私であり続ける       ←ですかね?

そして、私はこれ以上逃げない         ↑estar na minha 口語?

 

私のクルクル巻いたアフロヘアは    enrolarぐるぐる巻く、巻き上がった

みんな真似したがる

彼らは、容姿を変えた     baratinar(ジリア)=perturbar混乱する、変える

彼らもカールのアフロにしたがる      =transtornar-se変える、容姿を変える

 

あなたは私の服を笑う        rir de~ ~を笑う

あなたは私の髪を笑う

あなたは私の肌の色を笑う

あなたは私の笑顔を笑う

 

実際には、あなたには

黒人の血が混じってる

固く扱いにくい髪の毛を持っている ※黒人の髪の事を、cabelo duroとよく呼ぶ。

黒人を治してくれ     アフロが固くカールしてて扱いにくい事の例え?

 

クリオーロ(黒人)が癒されますように    crioulo=黒人

クリオーロ(黒人)が癒されますように    

クリオーロ(黒人)が癒されますように

クリオーロ(黒人)が癒されますように

 

 

 

Olhos Coloridos

 

Os meus olhos coloridos
Me fazem refletir
Eu estou sempre na minha
E não posso mais fugir

Meu cabelo enrolado
Todos querem imitar
Eles estão baratinados
Também querem enrolar

Você ri da minha roupa
Você ri do meu cabelo
Você ri da minha pele
Você ri do meu sorriso

A verdade é que você
Tem sangue crioulo
Tem cabelo duro
Sarará crioulo

Sarará crioulo
Sarará crioulo
Sarará crioulo
Sarará crioulo

 


 

 

 (※ここからは、上記のDicionario informalでググる前に書いてた文章です。苦労して、Marisa Monteの歌詞にたどり着いたけど、違う意味だったという…(笑)。長くなりますが、これはコレで勉強になったので、自分用のメモです…)

 estar na minhaは、辞書に載って無いけど、口語かな?。そういうタイトルと歌詞のMPBか何かの歌がありますね…。ちょっと誰の歌だったか思い出せないけど 。ガルコスタだっけ?。メロディは浮かぶんだけど、正式なタイトルを思い出せない。

思い出したー!。Negra Liの、この超恰好良い曲「Você Vai Estar Na Minha」。

で、すっかり忘れてたけど、原曲はMarisa MonteのEu seiで、このEu seiを引用したラップが、Negra Liの、この曲。記憶が減退してるので、冷や汗かきまくる昨今ですが、いかん、いかん~。

 

Negra Li - Você Vai Estar Na Minha

 

 

 

 

 このMarisaのアルバム、日本盤は持ってないけど、実は米国盤で、あの時代のブラジル音楽の米国盤にありがちなんですが、ポルトガル語の歌詞がついてなくて(今のように、ネットでブラジル音楽の歌詞が検索できなかったので、当時は、それがすごく腹立だしかったんですが…(笑))、代わりに、英訳歌詞が付いてる仕様で、今にしてみると、ちょっとラッキ~(笑)。日本語訳詞だけでなくて、英訳は結構重宝なのです(訳が間違えてる時もありますが…)。ジョアンのモントルーライブの米国盤とか。このMarisaのアルバムのプロデューサーでもあるアート・リンゼーの英語訳詞がジョアンのモントルーライブの米国盤に書いてありました…。

が、歌詞見たら、MarisaとNegra LiのEstar na minhaは、「私の物になる」の意で、Sandraの歌詞のEstar na minhaとは違う使い方でした…(笑)。

 

Marisa Monte - Eu Sei (Na Mira)

 

 

ちなみに、歌いだしの「Um dia eu vou estar à toa」は、アート・リンゼーの訳では、One day I'll be footloose(footloose=束縛されない)と書かれてて、「いつの日か、私は束縛されないでしょう」と書かれてる。à toaは、辞書とか、よく見る用法では、「気ままな」とか、「あてもなく」「無駄に」とかの意味が書かれてるんだけど、正しくは、この意味になる訳で、ブラジル音楽の訳が難しい訳です…(汗)。普通に文字や会話ができるネイティブの普通のブラジル人は、この意味がちゃんと分かる訳なんだけど…。ちなみに、Google先生の翻訳にかけたら、この部分は、「いつの日か、私は独り立ちする」との訳でした。この部分は合ってるねー。Google翻訳で間違い多いけども…。