これもQuarteto Em Cyが、サンバ・カンソンのアンソロジーのアルバムで歌ってた曲。47年にDalva de Oliveiraがオリジナルとして録音したみたい。他にも、ジョアン・ジルベルトとかが歌ってる。一番最初に聞いたのは、多分、Quarteto Em Cyで、だけど、メロディの良さに気付いたのは、多分、このダルヴァの曲(Odeonの3枚組のサンバアルバムに収録)を聞いてから、だった気がする。

O peixe eh pra profundo das redes,
Segredo eh pra quatro paredes

という一節とメロディが、とても印象的。文末で韻を踏む為に、魚と秘密が対になってるなんて、面白い歌詞。

Herivelto MartinsとDalva de Oliveiraは、Trio de Ouro時代、夫婦であり、結婚していたのですが、その後、離婚。実は、二人の離婚後に、Herivelto MartinsとDalvaは、二人のその問題についての対立などを扱った内容の歌を、互いに発表し合う事が、しばらく続いたそうで(アンサーソング合戦、ってやつです)、その中の一曲が、この歌だそう。そう思って歌詞を読むと、なるほどという感じがします。

 去年から、ブラジル関連の本を、何冊か図書館で借りて読んでるけど、1800年代まで、ブラジルでは本の出版が禁止されてたそうで、それまで、本がブラジルで出版されたことはないそうだけど(ポルトガル等で出版された本はあったという事かな)、だから、スペイン語圏に比べて、ブラジル文学の数が少ない;ブラジルのポルトガル語の文学がスペイン語ほど隆盛しなかった、のだそう。

 Ave Maria No Morroの歌詞は、酷いと思うし、Herbelt Martinsに対する印象は、あまり良くないんだけど、悔しい事に、このSegredoのメロディと、歌詞の響き(韻が)は、うっとりするくらいに美しいんだった。


Segredo

君の悪い所は、過去についてあれこれ言う所だよ        
誰も、そんなの知る必要ないよ
私達二人の間に起こった事なんて。              
魚は、網の奥へと追いこみ、
秘密は、小部屋の中にしまっておくのさ     
小さな海は、荒らさせるな               
次第にかき乱され、               
運命を乱される               
魚は、網の奥へと追いこみ、
秘密は、小部屋の中に隠しておく
まず、判断することが必要さ           
それから、刑を下すのさ             

不幸がドアをノックし、             
愛が窓から逃げる時、             
私達の幸福は、終わった            
幸福無しには、生きていけない       
私達の問題は、             
仕方がないんだ                  
愛しい人よ
私達の別離には、誰も、責任が無いんだよ