今日は、再生エネルギーの固定価格買取制度について。


2ヵ月後の平成24年7月から同法律は施行される。


この法律を簡単に言うと、


  • 買取制度により、電気事業者は、一定の期間・価格で、再生可能エネルギーでつくられた電力の買取が義務づけられる。
  • 買取に要した費用は「賦課金」として消費者が負担し、電気代の一部として支払う

    つまり、再生エネルギーの使用を促進するために、電気代があがるのだ。


    経産省は、電気代に月7千円程度を支払っている標準家庭で、12年度の値上げ幅は月100円未満との見通しを示した。再生エネルギーの発電が増えるにつれ、値上げ幅は数百円になるとの見方もある。



    確定ではないが、キロワットアワー当たりの買取価格は以下の通り。

    ソーラーが42円、

    風力が23円、

    地熱が27円、

    中小水力が25円、

    バイオマスが13円。


    「ソーラー42円」というのは、これまで一般家庭向けだったが、それが企業も含めてすべてに割り当てられる。

    太陽光だけ突出しすぎている。


    「どんどん太陽光発電を導入しなさい。

     導入してかかった費用は、一般庶民が負担するから大丈夫。」

    ということだ。


    ただでさえ、東電の件で料金負担が10%UPするのに、さらに再生可能エネルギーのおかげで家庭の負担が増える。



    同様の制度で先行したスペインでは電気料金の上昇を抑えるために、今年1月に新規の買い取りを一時凍結した。ドイツも今春から太陽光の一部を買い取り対象から除外。


    家庭の負担が重くなると制度が行き詰まる恐れもある。



    「化石燃料から脱却して、エコな国へ。」


    その理想は支持するが、戦略がしっかりしていなければなりたたない。


  • 今回は小水力発電に関する法令をみていきたい。


    小水力発電は、水から電気をつくる。


    そして水が流れるのは主に川である。


    したがって小水力発電には、河川法(国土交通省)、電気事業法(経済産業省)が主に関係する。


    上記の法令で国が確認しようとしているのは、安全性の確保水利用者間の秩序維持についてだ。


    つまり、国は以下のようなことを危惧している。

    ・水路内に水車などの構造物を置くことや、水量確保のための堰を置くことによって、洪水時に水路の水が溢れ、周辺地域が浸水すること。

    ・水をとりすぎて、下流の水利用者が困ること。

    ・発電設備を置くことにより、一般人が電気事故にあう可能性があること。


    このような危惧は、大きな発電設備にはあてはまるが、ごく小さな発電設備に対して必要だろうか?


    現在の日本には、1000kW以上の水力発電所は1407箇所、1000kW未満は437箇所しかない。

    これに対して開発可能な地点は、100~1000kWで数千地点、10~100kWで数万地点もある。


    事故を危惧するのはわかるが、その危険性の程度によってもっと柔軟な制度にしなければ小水力発電を普及させることは難しい。



    そのような要望を踏まえて、やや規制がゆるやかになってきた。


    例えば、農水路に発電施設を設置する場合のように、他の水利使用に完全に従属して発電を行う場合には、河川からの取水量が増えるわけではない。このような場合には、これまで必要とされてきた、「河川流量の確認資料、発電のための取水が可能かどうかの計算書、治水・利水・環境への対策、発電施設の構造・設計図、関係河川使用者の同意書」が必要なくなった(小水力発電を行うための水利使用の許可申請ガイドブック2011.3)。


    また以下のように、ダムが無く、200kW未満で、流量が1m3/s未満の場合は工事計画届けが不要になった。


    環境って何が重要なの!?~「自然大好き、環境を守りたい」をテーマにしたブログ~

    (電気事業法施行規則改正 2011.3.14)




    まだまだ手続きに時間がかかることが問題である。


    再生エネルギーを進めるドイツでは、1000kW未満の小水力発電所は5500箇所もある。

    1000kW以上の発電所数の13倍以上だ。


    我が国も必要のない審査は省略して、実施を促進しなければならない!!










    小水力発電の普及に当たっての問題点は以下のものが挙げられる。

    ①コストの課題

    ②手続きと事業制度



    今回はまず①コストの課題について、詳しく見ていきたい。


    発電設備を設置するには、費用がかかる。

    また、ゴミがつまったり、大雨で故障したときには、修理費用がかかる。


    このような初期コスト、維持管理コストをまかなう分、発電により電気が得られれば問題ない。

    つまり、初期コスト、維持管理コスト、売電単価の関係が重要だ。


    たとえば、売電単価を20円/kWh、常時一定の水量が得られるとして設備利用率を80%と考えると、

    総工事費は200万円/kWh以下であれば、採算がとれることになる。


    例えば、このような商品がある。


    商品例:リッター水力発電装置
    0.5kWタイプで100万円 
    4人家族での平均電力使用料は、1時間0.39kWなのでこれで間に合う。
    電力コストを20円/kWhとすると、

    100万円/(20円×0.39×24)/365=14年
    14年で初期費用は回収でき、それ以降はただで使い放題となる。


    ただし、設備利用率80%を達成するためにはいくつかの課題がある。

    ■農業用水を発電に利用する場合には、非かんがい期に流量が極端に下がる。

    対策としては、農業用水だけの利用ではなく、環境用水として水を引き込み、その後河川に放流するバイパス管を設置するなどの方策が考えられる。


    ■砂防ダムの落差を利用する場合、流量が不安定

    対策としては、発電効率の設定をあらかじめ低めにし、設備を過大にしないなどの方策がある。


    ■河川に直接発電機を設置する場合、洪水時期の対策をどうするのか。

    洪水は発電設備故障の原因となるだけでなく、河川内に構造物があることにより、洪水流を押し上げ、堤防を決壊させる恐れもある。

    対策としては、設置の仕方に工夫する必要がある。河岸にバイパス流路として設置する、魚道脇に設置するなどの方法である。



    初期コストは、これからの技術開発側の努力により減ってくる可能性がある。

    しかし、上記のように設備利用率を維持できる設置方法を、設置者側は工夫しなければならない。


    政府による売電単価の引き上げは、現在のところ、太陽光発電への助成に傾いており、小水力発電に対しては、難しい状況が続いている。初期コスト、維持管理コストを抑えることが必要である。


    次回も、小水力発電について、記述したいと思う。