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金利と為替  瀬戸際の日本と世界 その②

<為替と金利>

 

今回は基礎知識として、

「為替と金利の関係」

について解説します。

 

 

一般に金利が高ければその国の通貨は価値が上がります。

 

日米を例にすると、

日本はほぼゼロ金利、

米国は個人で定期預金をしても年利5%程。

 

この様な状態では、多くの人は円をドルに換えて、ドルで預金しますよね?

その結果、円が売られてドルが買われ、円安ドル高が進みます。

これを「円キャリートレード」と呼びます。

 

 

しかし、前回も書いたように、

第2次安倍政権下では日本がゼロ金利だったにもかかわらず、今よりはるかに円高でした。

 

これはなぜか?

 

それは。

「為替相場とはしょせんギャンブルである」

からです。

 

 

金利は為替を決める大きな要因のひとつであるという事は確かですが、

そのほかにも様々な要因があり、

また論理的に矛盾した方向に相場が動くこともしばしばなのです。

なぜなら、相場で勝つためには他人の裏をかかないといけないという側面もあるからです。

 

今回完璧に投資家の裏をかいたのが日銀!

 

世界中の投資家は、いつかは日銀がドル売り介入してくると分かりながら、じりじりと円を売ってきました。

155円で介入あるかと思いきや無い。

157円でもない。

さすがに160円ではあるかと思ったがやはりない。

「あれ?もしかしたら介入無いの?」

と投資家が思った時、

アメリカの指標の発表に合わせてまさかの介入。

時間は21時ころだったと思います。

 

投資家は最初アメリカの指標に対する市場の反応かと思いましたが、

実は日銀の介入だった。

 

これはさすがに誰も予想しなかった。

 

この時、かなりの投資家が為替で相当な損失を出したはずです。

この動きはあまりに見事で、ここ数年で一番の日銀のファインプレーだったと私は称賛しました。(損を出した投資家は恨んでいるでしょうが)

 

たたみかけるように7月末に金利を上げて、円高はさらに加速。

162円から一気に146円くらいまで円高が進み、流れは完全に変わったと思われます。

 

戦力の逐次投入ではなく、策をめぐらして一気に攻める日銀の姿勢は本当にかっこよかった。

 

 

投資家たちがこの動きを称賛しないのが不思議でなりません。

きっとみんな大損したんでしょうね。

 

 

 

つづく

金利と為替  瀬戸際の日本と世界 その①

 非常に長らくコラムを更新しておりませんでした。

 書くネタは山ほどあったのですが、再開するきっかけが無く今に至りました。

 

 再開のネタは、やはり専門分野の経済について。

 日本と世界経済はここ数十年最大の節目に来ています。

 

 今書かずしていつ書くとばかりに、かなり難しい内容ですが、出来るだけ分かりやすく書きます。

 

 

 2024年8月2日、日本株はブラックマンデー以来2番目の歴史的大暴落を起こしました。金曜日なので、この週末は投資家はパニックに陥っています。

 特に国が勧めた新NISAを始めたばかりの投資初心者たちは絶望的になり、多額の損失を出して投げ売った人も多いようです。

 

 

 そのきっかけとなったのが、「政策金利の利上げ」。

 第2次安倍政権発足以来続けてきた大規模な金融緩和政策をやめて、金融引き締めに動いたため、株式市場はマイナスとなったという事です。

 しかし、事はそれほど単純な事ではありません。

 今回の事態は「起きるべくして起こった、そしてまだこれは始まりに過ぎない」という事です。

 

 

 SNSでは様々なアナリストや投資家が政府や日銀を非難する発言をされていますが、私はこれらの意見とはかなり違います。

 今回は数回に分けて違った角度から見た私の意見を書きます。

 

 

<利上げと為替操作>

 今回なぜ今のタイミングで利上げしたのか?

 「秋の自民党総裁選をにらんでの動き」という意見も聞こえてきますが、私は「今しか無かったし、このタイミングでの為替操作はあまりにも見事!」と珍しく日銀を称賛しています。

 

 私は昔から「円高・円安に良いも悪いも無い」と主張しています。

 その理由は、「立場によって良い悪いが変わるから」です。

 

 単純に輸出企業は円安を歓迎しますし、輸入業者は円高を歓迎します。

 

(円安を歓迎する人たち)

 輸出企業、インバウンド関連の観光業等、株式等の投資家、財務省等

 

(円高を歓迎する人たち)

 輸入企業、インバウンドの恩恵を受けない内需企業、多くの内需零細企業

 

 

 他方、金利について考えます。

 

(低金利を歓迎する人たち)

 融資を受けている人(借り入れの多い大手企業等、住宅ローン・カーローン等を持つ人)

 不動産業、建設業、ハウスメーカー等

株式等の投資家

 

(高金利を歓迎する人たち)

 銀行等の金融業

 保険等の資産運用の企業

 資産家

 金融資産を持つ高齢者等

 

 

 これらそれぞれの立場によって、金利と為替に対する評価が変わってきます。

 一般に、金利が高いと円高になりがちで、金利が低いと円安になりがちです。

 今「なりがち」と書いたのは、必ずしもそうとは限らないケースも多々あるからです。

 

 ゼロ金利のアベノミクスのもとでは、今よりはるかに円高でした。

 しかもそれが10年ほども続いたので、事はそんなに単純ではないのです。

 

 

 では、今回の利上げはどう評価すべきか?

 

 ごく簡単に言うと、

・資産家か庶民か

・巨大企業か零細企業か

・輸出企業か輸入企業か

・グローバル企業かローカル企業か

 

という事を考えたうえで、

「大多数の庶民とローカル企業にとって恵みの利上げ」

と言えるでしょう。

 

 

次回以降、もう少し詳しく解説します。

 

 

つづく

インボイス制度とコロナワクチン

banされるやばいタイトルですが、

内容は違う意味でヤバイ。

 

 

インボイス制度導入で見込まれる税金の増収額は約2000億円。

今年2月までに破棄されたコロナワクチン破棄分のワクチン代少なくとも2000億円超。

 

 

 

官僚と自民党の政治家たち

 

 

 

寝とけ!