平安二十歌仙 第一
第一 明和三丙戌年十一月十八日葎亭会
表
白壁の月も細しや冬木立 嘯山
粉糠こぼれし庭の薄氷 随古
下部等にいたく酔ぞと酒もりて 太祇
鼠ほどなる胴乱の象 山
日直れば橋からもたつ夕霞 古
大きな凧を持出しにけり 祇
裏
二番はへ天窓に春や満ぬらん 山
廓がよひの供を預ける 古
白き手を火鉢の上で握るなり 祇
論語今川伊勢物語 山
古しへを見透すための眼鏡かは 古
老のむせびに膝へ湯を吐く 祇
余所の伯母砧の槌を借に来て 山
送りの小馬道遅き月 古
露じめり砂の金をこころむる 祇
鼻の高さも地頭成けり 山
僧堂に藪買付て花紅葉 古
光りしづかに古きとぼし火 祇
名残の表
半時は早ふ暮ぬる五月雨に 山
田うへがすむと子にもらふ沙汰 古
手に顔に手拭の藍移りたる 祇
読できかせて腹を立さす 山
伐筈の木をそれなりに小一年 古
踏ンで身に添ふ蛇の影 祇
いかな事還城楽も出来ばこそ 山
水羊羹の寒き歯あたり 古
月の漏る軒賑しき入院也 祇
はたはたはたと促織が飛ぶ 山
童等につけ廻さるる烏瓜 古
住すて歩行名医有けり 祇
名残の裏
銀づくはへかこ安部川紙子にて 山
雷狩に霰たばしる 古
くされ儒者うまれ在所へかへり住 祇
続けばつづく春日和かな 山
船玉へ湊の花をたてまつり 祇
蛙可愛くいただかす幣 古
表
白壁の月も細しや冬木立 嘯山
粉糠こぼれし庭の薄氷 随古
下部等にいたく酔ぞと酒もりて 太祇
鼠ほどなる胴乱の象 山
日直れば橋からもたつ夕霞 古
大きな凧を持出しにけり 祇
裏
二番はへ天窓に春や満ぬらん 山
廓がよひの供を預ける 古
白き手を火鉢の上で握るなり 祇
論語今川伊勢物語 山
古しへを見透すための眼鏡かは 古
老のむせびに膝へ湯を吐く 祇
余所の伯母砧の槌を借に来て 山
送りの小馬道遅き月 古
露じめり砂の金をこころむる 祇
鼻の高さも地頭成けり 山
僧堂に藪買付て花紅葉 古
光りしづかに古きとぼし火 祇
名残の表
半時は早ふ暮ぬる五月雨に 山
田うへがすむと子にもらふ沙汰 古
手に顔に手拭の藍移りたる 祇
読できかせて腹を立さす 山
伐筈の木をそれなりに小一年 古
踏ンで身に添ふ蛇の影 祇
いかな事還城楽も出来ばこそ 山
水羊羹の寒き歯あたり 古
月の漏る軒賑しき入院也 祇
はたはたはたと促織が飛ぶ 山
童等につけ廻さるる烏瓜 古
住すて歩行名医有けり 祇
名残の裏
銀づくはへかこ安部川紙子にて 山
雷狩に霰たばしる 古
くされ儒者うまれ在所へかへり住 祇
続けばつづく春日和かな 山
船玉へ湊の花をたてまつり 祇
蛙可愛くいただかす幣 古