御礼の会で最初の挨拶をしてくれたのは鶴田能史(つるたたかふみ)さんでした。

 

tenboというブランドのファッションデザイナーです。世界中の全てのひとが笑顔になって幸せになれるファッションをつくり出すひとです。

2015年、フューチャーセッションズの野村恭彦さんがSNSで紹介されたのを見たのがきっかけでした。当時、つるちゃんは東京コレクションに向けてクラウドファンディングをしていました。障害のあるひともないひともおしゃれを楽しめるような服をつくり、同時に平和への祈りを伝えるショーを開催するためでした。心しびれる千羽鶴の衣装、「誰もが幸せになる」という言葉に若干の疑問を持ちながらも(笑)、とにかく面白いことをする人だからまずは応援しようと思いました。思えばこのときのクラウドファンディングが私の初めての支援経験でした。このきっかけがなければアンジャナのクラウドファンディングもなかったでしょう。決済がうまくいかず、その件を伝えるためにつるちゃんが連絡をとってくれました。そのときの丁寧な言葉遣いと相手への思いやりを感じ、このひとをもっと知りたくなりました。ショーは広島の原爆や平和への祈りを服で表現した素晴らしいものでした。

 

その後、事務所にお邪魔しました。吉祥寺にあるデザイン事務所は、たくさんのデザインや衣装に囲まれていましたが、スタッフのかたがたがこれまた丁寧にお話ししてくれました。つるちゃんは、目をキラキラさせながら真剣に、世界を幸せにすると言ってました。わたしは「すべての」「絶対に」「ゼロにする」などの言葉が嫌いです。そういう言葉を簡単に使うなと言いたくなるのです。でも、つるちゃんは、「すべてのひとを幸せにするファッション」を重い言葉だと受け止め、覚悟して使っているのがわかりました。つるちゃんの社会変革者としての思いを知ると、「正義の味方」を発見した気分でした。私からはアンジャナの話をしました。

 

2016年1月、アンジャナとつるちゃんの対面。忘れられません。tenbo事務所はビルの4Fでエレベータがありません。アンジャナは電動車椅子。つるちゃんは当たり前のように車椅子を持ち上げて、アンジャナが上がるのを手伝ってくれました。「階段しかなくてごめんね」とか「事前に車椅子だと言ってよね」とか、そういうのがないのです。よい意味でとても普通。平然とした態度で対応してくれました。バリアフリーを小学校に教える活動をしていた私には目から鱗でした。

2016年6月、ポーランドで開催されたGlobal Summit of Womenに参加するとき、日本を象徴する服を着たいと考え、つるちゃんに相談したところ、平和のドレスを着せてもらいました。着てみて、はっきりとわかりました。つるちゃんは本当に笑顔を増やすひと。もっと多くのひとに知ってもらいたいと強く思いました。

 

つるちゃんがくれたものは次回に続く。。。

 

笑顔になれる服を着て

わたしは今日も元気です。